お別れ

今年8月末なくなられたご入居者のM様にお別れのご挨拶に行きました。素敵な笑顔の写真を見て寂しくなりました。毎年大好きな長嶋のカレンダーを頂、今回も奥様から長嶋の本やグッズをいただきました。私の部屋はいただいた長嶋のものであふれてます。大事なご入居者をなくし、残念でなりません。私は毎朝仏壇に手を合わせます。この年になると多くの人とお別れしてきました。ゆっくり顔を思い浮かべて名前を呼んで手を合わせます。

 

商売とビジネス

ここ数日で、役所、警察、銀行と行きました。この人たちはすべて自分たち都合で決まりを作り、われわれをそれにしたがわせようとします。自分たちが特別だとおもってるようです。民間には『お客様』がいらっしゃって、喜んでいただいていい評価をいただくことが商売です。彼らにはお客様がいないしつぶれる心配もありません。こんな環境は向上心も緊張感も育たず、なめた態度の魅力がない人間が育ちます。こんな人たちより、ロボットがましです。私は商売屋で育ち親父おふくろ、おじおばを見てきました。朝早くから夜遅くまでほとんど休みもなく働いてました。甘えた考えなどかけらもなく、ちいさいながら町にはなくてはならない店であり、仕出し屋であり、海運であり、建材屋でした。どんな経済学者や評論家より私の先生です。

 

今思うこと

設計事務所を経て、住宅会社のデザインをやり始めまして、その後自分の会社を作って今に至ります。多くの輸入住宅の作品を作ってきましたが、今思うとどれも一つ一つの作品に、作るにいたる物語があり、大事にメンテを続けてます。住まいを作るには組織は必要ありませんでした。大量に建築するには有効でしょうがいい作品を作るには、邪魔でしかありません。コーディネーターと二人で何もかも忙しくやることで今があります。順風満帆ではなく、悔しくつらいところからのスタートを何とか乗り越え、やっとたどり着いたいまです。不器用で非効率なやりかたが我々のやり方です。レベル高いものをまだまだ目指します。

 

あきれることが多すぎる

同じことを言いますが、電車の中はケイタイに見入っている人ばかりです。思考能力がなく、すべてケイタイに操られ手いる人ばかりのようです。飲食店のカップルも席についてお互いがケイタイを触り、会話も何もありません。小さい子供を連れた親も、ケイタイと遊んで子供を見ていません。馬鹿育成国家です。政治家や、文化人が、最低賃金を上げようといいます。。大きなお世話です。給与や、報酬は能力によって決めるものです。ばかな政治家の給料が高すぎます。パーキングのアルバイトおばちゃん、コンビニのアルバイト店員、飲食店のアルバイト、、、、みな何の接客教育も商品知識もなく、客を不愉快にすることが多いように感じます。大人も子供もしつけなき社会というのは怖い将来が待ってます。心配です。

 

今が充実

相変わらず、儲けてはいませんが、仕事内容は今が一番充実しています。大好きなご入居との新しい仕事依頼を頂、われわれの家作りを信頼いただけることが何よりうれしいことです。いろんなアイディアを語り合うことができるのも、ご入居ならではです。コーディネーターとがんばってやってきてよかったと思います。高齢になりましたがまだまだ勉強中です。形として残る仕事です。評価は世間がしてくれます。体は自己責任で管理してがんばります。

 

所作、言葉、姿

藤井さんが八冠を達成しました。へぼ将棋を指す私には真のすごさはわかりませんがとんでもないことのようです。メジャーリーガー大谷選手とともにわれわれが自慢の若者です。もちろん成し遂げたこともすごいのですが、所作、言葉、姿が年配者も納得できるものです。謙虚で、感謝を忘れず、身なりも奇抜ではありません。私が嫌いな若手のコメンテーターたちは、服装や髪型など奇妙な姿で、えらそうな言葉で、斜に構えてます。個性という言葉で、そういうことでしか自己表現できないのでしょう。あなたたちが彼ら二人を論じるなと思います。昔から我々が親に教えられ子供に教えてきたものを二人は兼ね備えてます。

変な商売

最近いやな商売がコマーシャルで堂々と流れます。まずは転職の商売です。とりあえず働きながら条件がいい組織に転職できないか探るのでしょう。『何とかリーチ』とか叫んでますが昔ならとんでもないお世話になってる会社への裏切り行為です。私のところも『働きたい。」と面接に来ますが本当にやる気なら今のところをきちんとやめてから面接に来なさいといいます。私に言わせれば汚いやり方です。もうひとつ気になるのは、『何とかバック」とか行って安い金で家を売ってすみ続け、高い家賃を払うという仕組みです。詐欺からヒントを得たような商売です。中身をよく検証すれば、まともな話ではないことがわかるはずです。古い考えかもしれませんが、しっかりしないと上手に金儲けのターゲットにされてます。

 

本物から遠ざかる時代

最近は建築資材の高騰や、職人不足、などの原因で、しっかりした家の受注が少なくなってるようです。ありがたいことに我々は変わらず仕事ができてます。一般的に、築年数が古い家を増改築で売ったり、低価格住宅と称して安い素材で、表情がない四角い家を販売したり、安くするための工夫だけで、「なんちゃって」の時代です。年月を重ねて味わい深い家を作ることより、目先の金のようです。住宅に限らず、ほとんどの建築物は軽く、うすっぺらなものになってます。今の時代のものが100年後、200年後大事に残そうと思うのでしょうか。私は住宅においては今のスタンスで仕事を続けます。自己満足でも納得できる本物を目指し続けます。

 

うれしい依頼

先日、ご入居者とそのお母様を乗せて佐世保の米軍住宅に行きました。途中、ワッセナーのご入居者のところにも寄り、家を見せていただきました。ご入居者同士の交流はうれしいものです。また数人のご入居者からデザイン依頼があり、取り掛かります。八代のH邸の屋根、外壁、などメンテの仕事もいただきました。築34年ですが今もいい関係を続けられることに感謝です。ご入居者の力に支えられます。その中でも水巻K先生ご夫妻のご自宅のデザインが大詰めです。年を重ねるほど時間がもっとほしくなります。

 

幸せ

以前日本中知ってる大手住宅メーカーで働いたことがあります。成績も悪くなくそれなりに充実してましたが、その会社の売るための仕組みに不信感があり退職しました。大きな有名な会社で、いいポジションの役職でもあったためか、みんなが『何が不満でやめるのか。」といわれました。それに比べると独立して始めた住宅デザイン会社は2人の零細会社です。しかし日本中から依頼があり、好きな住宅を建てて、ずっとオーナーとのお付き合いが続きます。再受注も多く、申し分がないほど幸せです。いい人との出会いばかりでビジネスというより自分でも驚く人脈ができました。30数年前からのオーナーとのお付き合いは今も続き、いろんな相談をいただいたり頼んだりです。幸せな仕事です