先日、アメリカカリフォルニアにお住まいのS様と電話でお話をしました。近いうちに福岡近郊でお住まいを検討されているそうです。日本のお友達からのお話とホームページも見ていただいた上で、私どもにご連絡いただき、久しぶりにアメリカの住宅について楽しい話が弾み、お客様からの国際電話にもかかわらず長時間話してしまいました。その後いただいたメールにも、勉強させられることや、納得させられることばかりで、うれしい出会いになりました。いくつか内容を紹介します。アメリカは住み替えの文化が定着しており、S様も家の売り買いを経験されたうえでのことばです。「売る時はできるだけ素敵にすみこなし、オープンハウス後1週間で複数のオファーをとり、競り合ってくれるかが勝負です。」とおっしゃってます。「買うときは100軒ほど見ましたが、一番大事なのは外観デザインだとおもいます。ストリートにマッチした家の表情が大切です。日本の住宅雑誌やカタログは便利なキッチンや収納、棚をたくさんアピールしています。そんなものはいくらでも後で変えることができますがストリートを含めた外観の佇まいは変えられない。だからこそ家の価格はデザインに由来します。」以上のような内容でした。共感しっぱなしです。日本でそういうイメージで家を捉えている方と話したのは初めてですという、うれしい言葉も添えていただいてました。ちなみに、S様のすんでいる町は自分の敷地の木の枝のカットも町の許可なしでは罰金だそうです。まちの美しさをたもつルールが個人の資産形成につながっているのだそうです。S様が生活していらっしゃる町に誇りを持っていることがすばらしいし、うらやましくおもいます。今、日本に必要なことは、建築業界を不景気にするだけの意味のない役所の自己満足の「検査」をやめて、文化的な街並みをつくるために「デザインの審査」を始めるべきだとおもいます。