最近、建物のプラモデル化が激しく、建築屋が建物にこだわらず、既製品ばかりの寄せ集めで、簡単にできて、安いものをよしとしているようです。ローコスト住宅が使っていたいろいろな既製品の質がよくなったからか、住宅以外のビルでも多く使われています。すぐに飽きられ、後世に残るものも少なくなるでしょう。建物はどこまで退化し続けるのでしょう。私が子供のころは建物の現場に目を奪われ、憧れや驚きをもちました。今の状態では、職人のなり手もなく、デザイナーも育たず、子供にも魅力的に移らないでしょう。多くの職人の腕、デザイナーのこだわり、オーナーの夢が詰まったものが出来上がると、多くの人の目にさらされ、その地域の文化さえ造ってきたはずです。建物のデジタル化は止まらず、退化する一方に、無駄でも、一人ででも抵抗する仕事をしたいものです。