その人に似合う家

若いときは同じような家をどんどん書いていたような気がします。自分の頭の中で、はやり廃りがありました。自分の流行をオーナーに恥ずかしげもなく薦めていたようにも思います。今はオーナーとじっくり話し、希望の家を聞きつつも、オーナー家族に似合う家を見つけています。ほとんどのお客様がわれわれに一任いただけますが、何気ない会話や仕事、その家族の歴史のようなものをお聞きしてデザインをご提案させていただきます。住まれる方が家を育てます。家族で一緒に歴史を刻める家を目指します。多くの企画住宅から好きなものを選ばせる住宅メーカーのやり口は、家を買う行為です。責任をとらない仕組みをコンプライアンスなどという横文字でごまかして家を提供するビジネスには賛同しかねます。この年になってやっと本当の家作りがわかってきました。責任を取らなければならないことがいい仕事です。誇れる仕事です。