建物の使われ方。

我々の作る住宅もそうですが 、 建物は立った後の扱われ方で、運命が決まります。住宅の場合、長く愛好して大事に使っていただけるオーナーと、造ってしまうと無関心で、センスなく散らかしっぱなしの家と・・・・・。 商業主義 で建てられた家は建ててしまえば 作り手のほうも無関心になるわけですから、絶望的建物になります。我々のじいさんばあさんの時代までは、日本人も家への常識があり、床柱や瓦や、寄棟、入母屋。数寄屋、たたみ、床の間、サオブチ、杢目、柾目、さくら、ヒノキ、・・・・・・・・植木や花の名前も知識が豊富でした。そんな言葉で家が語られてました。戦争に負けて、プレハブ的な、「なんちゃって洋風」で、早く急いで建築が行われ、材料もすごいスピードで商品化されたために、建築に対する教養がなく、見る目もセンスも今、奪い取られおり、この隙に、「建てずに売る家」「商業主義の建物」に町が覆われ、味があり、趣があり、景観に寄与する建物が激減しているように思います。

一番の基本はオーナーに会い、話し、今のオーナーの住まいを見て、打ち合わせを重ねながら交流を深めることをすれば、いい家が作れます。それを排除して営業マンからの伝え聞きで、デザインする設計屋や、建売、マンション、規格住宅……いいものはできません。