世知原温泉、山暖簾、黒川紀章の罪

佐世保の世知原に黒川紀章が建てた山暖簾という公共の温泉宿を見に行き、愕然としました。コンクリートの打ちっぱなしと、鉄とガラス、無機質極まりない素材で、大自然を破壊しています。私には、巨大な火葬場にしか見えませんでした。100歩譲っても空港です。500円で温泉に入れるというので中に入ると、基本色は黒です。福岡県庁も、福銀も黒で、もともと彼の作品には何も感じないのですが、今回は怒りを感じます。こんな人のどこが世界の建築家なのかわかりません。東京都知事に立候補したとき世間もこの人は常識がなく、変なおじさんと感じたはずです。建築を使ったパフォーマンス人のようです。

温泉につかっている人もロビーの人も、声がなく、笑顔もなく、話もせず、子供だけが騒いでます。建物に威圧され、全く癒されることなく、居心地が悪いからです。住まいを真剣に考えたり、人を喜ばすために空間を考えず、自己満足で好き放題、奇をてらっていたのでしょう。彼の建物は人のため、町のためではなく、彼の自己顕示欲でしかないということが今回よくわかりました。