「こだわりの家作り」という言葉を良く耳にします。こだわりとは「妥協をしない。」「つきつめる。」ということのようで、それが美化される傾向にあるようです。「迷ってマテリアルが決断できない。」「思考があちこち飛ぶ。」「終わったこと、決めたことを再度悩みはじめる。」・・・・・・・ このような行為をこだわりという言葉であらわしてはいけません。「どんないえをつくりたいか。どんな空間でくらしたいか。どんなデザインがすきか。」を明確に持っている人がそれを熱く語り、我々プロにゆだねることが「こだわりの家作り」です。だからこそ我々はどんなリクエストにも答えられるだけの感性と知識の引き出しをもってなければなりません。こだわりのないオーナーとレベルの低い作り手で家を建てるためには三択の部材選びや色選びのツールをつくり、きまったものを工場で製作するというシステムになります。ときに「こだわり」は非効率になることがあります。しかしながらその非効率が楽しさや、やりがいに感じるられるのが本当のこだわりです。今までの経験では、こだわりの素敵な家は楽しい会話と信頼からうまれているように感じます。けっして長く悩むことではありません。
いろいろなこだわりを職人とともに形にしている中央区O邸。玄関周りの石を貼ってます。ほとんど足場も取れ今週からエクステリアの工事に入ります。内部はステイン、ペンキ、塗り壁など細かく色ツヤとテクスチャーをH塗装やM左官と相談して渋く、ブリテイッシュ、スパニッシュを意識して工事を進めてます。暖炉飾りやウインドウヘッドなどは空間が広すぎて既製の輸入品ではあわないと判断し、こだわって大工に現場造作してもらいました。オーナーも私もF大工に感謝してます。これから階段造作にも一工夫必要です。おたのしみに。