師弟制度が崩壊し続けています。世の中が豊かになるにつけ「学校」で学び一人前になる前に「肩書き」が与えられているような気がします。今、肩書きがないと暮らしにくい社会なのでしょう。そのため「何やってんの」「フリーターです」などという私には理解できない会話があちこちで聞こえます。肩書きのない人の肩書きまでネーミングしたり、何にでもコーディネーターをつけたり、スタイリストをつけたりして職業も徹底的に分業化され私がしらないカタカナの名前の肩書きが飛び回っている気がします。「師弟制度」という言葉に厳しいとか暴力的とか苦労とかマイナスイメージを受ける人が多いらしいのですが、私のまわりにいる大工にしろ職人にしろ師匠のもとで技術的にも人間的にも一生懸命に一人前になろうと努力している姿を見ると応援したくなります。私たちの目指す家は師弟制度を大切にしている人々で造られる家でありたいと思いますし、そこから家に対するポリシーは生まれるのであって、経済人からの事業計画とは異質なもののように思います。そんな本物の肩書きをもった仲間たちの集う会社でありたいものです。そして私の年齢になると一人前の肩書きを持てる人を育てることも大きな仕事のひとつだと考えています。私たちに比べると今の若者は知識も豊富だし頭もいいと思います。早く魅力的な人や仕事を見つけて本物の肩書きを手に入れてほしいものです。