熊本の新規M邸のエスキスをやってます。この作業からすべてが始まります。敷地形状、周りの景観と方位、ご夫婦のお顔・・・・何度も何度も頭に浮かべ、納得するまで集中して手を動かし続けます。頭だけで考えることはしません。「絵」と同じで指先で考えます。それが私流です。プランとファサードは同時に書いていきます。自分が思ってる以上にバランスのいいエリアが多ければ多いほどいい家になります。「ここが見せ場だ。」「ここは喜ばれるだろう。」「こりゃかっこいい空間だ。わかってもらえるかなー。」「便利で納得されるだろう。」・・・・・・・・・・自分と会話しながら作ります。その時々のいろんな会話が提案説明につながります。「この空間をわかってもらうためご入居者の○○邸をご案内させていただこう。」というようなことまで考えます。シンボルツリーから夜の建物イメージ、アウトドアライフ・・・・・・ とにかくすべてを紙に書いていきます。徐々に完成形が頭に表れ始めたころは、仕上げや色も自然に浮かんでます。乗ってくると、一気に清書まで行きますが、私は一晩おいて清書にかかります。 若い時のラブレターと一緒で、乗りすぎて恥ずかしく、ひどいものになっていないかを冷静に判断するためです。このエスキスこそが建築デザインの全てといってもいいと思います。