ルールとマニュアル

輸入住宅をビジネスにしようとすると、「なんちゃって輸入住宅になります。」ルールとマニュアルを決めて、ある程度画一された家づくりをするしかありませせん。知識や力がない人を束ねて仕事をさせるとなるとルールとマニュアルが不可欠です。本物の輸入住宅を欲しい人は、自分たちの好きなマテリアルや、インテリア、ファニチャーに囲まれ、個性的なデザインに喜びを感じられます。だからこそ、大きな会社や、名前の通った会社より、作品を見たうえで個人のデザインやコーディネートの力量、住まいへの価値観が相通じる人を家づくりのパートナーにご指名されます。

大きな会社になると、家造りがルールとマニュアルで窮屈になります。以前私がいた大手住宅メーカーもそうでした。馴染めず暴走する私がたまたま多くの受注をいただくと、上司があわてて「会社のためにも、お前のためにもすぐやめたほうがいい。」といわれました。今ではその人に感謝してます。

我々のいただく仕事の5割は、ご入居者からの紹介や、再受注です。新規のお客様を追い求めて、莫大な経費をかけてモデルホームを造り、人を雇いそれが家の価格に跳ね返る大きなビジネスは輸入住宅には不向きなのです。輸入住宅ですと言いながら建売を始めたら、ポリシーの挫折だと思います。輸入住宅を手がけさせていただくときの利益は、作品であり、オーナーとのただならぬ信頼関係であり、仲間との達成感、そして食べていけるだけのお金です。輸入住宅においてルールとマニュアルはお金の利益しか生みません。そして本物はできません。