言葉を亡くした仕事、表情を亡くした仕事

顔を見て、言葉と表情で物事を伝え、喜怒哀楽を感じ、伝わるものがあります。わたしは会って話したことしか信用できません。百歩譲っても電話です。最近の人はメールを送って仕事が終わり、ファックスして仕事が終わり・・・・・・・・・どんどん軽薄な仕事のやり方で、いいものや思い入れの強いものなどできるわけがありません。このような態度では、周りから学ぶことも教わることもなく、ただ作業をこなすやりかたです。機械のデジタルは便利でも、人の気持ちや行動がデジタル化することで、人は退化しています。

乗り物やホテルやレストランなどのネット予約も無機質極まりないものです。買い物もしかりです。人がばかになる仕組みを喜んで使い大馬鹿になってます。

今、魅力ある若者に会いたくてもトンと出合いません。

我々が無垢材で手作りでメンテしながら年月を重ねた家が重厚で素敵で味わい深くなるように、人の顔も、一生懸命自分の誇れる年月を重ねると深みのある魅力的なしわのある顔に変わります。いい顔のしわは多くのことを考え、学び、多くの人と会い、真剣に生きた人だけにできるものです。この調子だと今後みんな宇宙人のようになるんでしょうか?

安藤忠雄が今、東大卒の連中もまともに電話対応ができないと嘆いていました。ここ10年ほどで急速に質が低下したそうです。危機的状況です。躾のない社会から脱却しなければ。