もう年配者しか覚えてないでしょうが、「北の国から」というドラマで、主人公の黒板五郎が粗末な家ながら自分で子供と棲む家を作りその後、丸太、石、拾ってきたものなどで家を作っていきました。35年前、舞台の富良野に訪れた時は、最初の家だけでしたが十分刺激を受けました。今回行く機会があり、すべての家を見てきました。老朽化が進み、保存も大変でしょうが、これは観光客や、安っぽい住宅産業の連中ではなく、家づくりの精神は我々が見るべきものであり、勉強させられるものでした。発想、頭の柔らかさ、バランス、センス、住宅屋はこうあるべきではないかとさえ思いました。フジテレビの美術部の人たちの感性と、職人の技で、バス、ゴンドラ、コンテナー、トラック・・・・・拾って来た石の風呂、卵を敷く紙が断熱材、洗濯機のドアが円窓・・・・・・暖かくて楽しくて、家づくりはこうあるべきだということを教えられました。震災や災害においても、国や自治体にすがることより、こういう生き方もある。自己責任は大変なことではなく、楽しくやりがいがある生き方だということをみんな忘れかけているんではないでしょうか。甘えすぎの世の中に、腹立たしさを感じてたこの頃、設計図なんかなく、手書きのスケッチを頼りに工夫し、探し、みんなで喜び完成させる家は最高の我々のバイブルです。金もうけ主義の大量生産や、激安住宅が幅を利かせてる現代、「こんな家づくりの心を忘れるな。」と叫びたくなります。この家を見て建築家なんて、大したことねえなー。と思いました。勉強した人ではなく、感性ある人がいい家を作ります。