以前は家を作る時一番予算をかける場所は床の間でした。四方柾や絞り丸太等の床柱、床框、一枚ものの床板等格式を重んじ、そこには家宝の掛け軸や壺が置かれ,生け花等とともに床明かりで大切に飾られていたようです。来客は床が見える方に座り、一番力がある家のあるじが床を背に客をもてなす。「後光が差す」と言う言葉の由来はここにあるという人もいます。今一番家の中で予算を賭けるところは、間違いなくキッチンでしょう。対面式の豪華で高級な面材やカウンター。食洗器、オーブンレンジ、IHも装備され、ピンスポット照明やペンダント照明でライトアップされた中には奥さんがいるはずです。そうです。「あるじ」です。いつからか家の「政権交代」は完了しているようです。そしてそれが幸せをもたらしているようです。