わたしは零細企業であっても、社長業には向いていないことは重々承知です。時代と資金と力量で事業計画を立て、経費も考え少しつづでも右肩上がりの利益を出していくことが会社の安定になり、社長の責任だと思います。ただどうしてもその前に、デザイン屋としての意識が働き、いいものをどうにか知恵を絞り、作りたいと考えてしまいます。時間給で物を考えることはできず、価格は仕事の出来栄えでオーナーが決めてくれると考えてしまいます。もし儲けても明らかに変な建物だと喜べません。必死で、好きな家づくりにまい進し、評価いただけるようになると自然と仕事も増え、質も上がると考えてしまいます。会計士さんなどに言わせると、「寝ぼけたこと言うな。」という感じだと思います。計算しないというかできないというか、だとしたら腕を磨きながら必死に働くことしかありません。その思考についてきてくれたのが平田です。今も計算しない人生をまだ歩けていることに感謝します。「それだとずっと気を張り疲れるでしょ。」と言われます。はい疲れます。でもそれしかできないし、計算しない人生は失敗の確率も高いですが時として、すごい感動や心地よさに出合えます。私のような頭が悪い人の勝負手はこれしかないと思ってます。