活力

出社してすぐ口にするコーヒーがおいしくて一日の活力なのですが、N女史に「対馬では、朝飯はイカの刺身とかじめの味噌汁が定番ぞ。」と話をすると、翌朝早速「かじめは手に入らないので,めかぶで作ってみました。」といいながら、とろみがあり、磯の香りのする味噌汁を作ってくれました。朝は何も食べれないのですがひさしぶりにおいしく味噌汁を飲みました。癖になりそうです。しかしながら素直に礼が言えず「取立てのイカの刺身は?」と悪態をついてしまいます。N女史は、仲間が気持ちよく仕事ができるようにと、さりげない心遣いをしてくれます。もちろん、本業をいち早く覚えて、表舞台で活躍してもらわないといけないのですが、裏方の仕事を気持ちをこめてやってくれることで私も、H女史も、F大工も、K大工も・・・・みんな活力をもらってます。いままで一番欠けていたことだと思います。協力業者もふくめて手前味噌ですが、人間味のある能力が高い仲間がそろったとおもいます。だれでもゴミ片付けからできる人たちです。がんばれます。       H女史が「ブログのテーマはなんですか?」と聞いてきたので「朝の味噌汁たい。写真はなんにしようか。」というと「千昌夫の写真にカアーチャンーというせりふをつけたらどうですか?」というばかな解答をくれました。それもまたH女史流の活力なんでしょう。

連絡、打ち合わせの月曜日

週初めの月曜日は現場との打ち合わせ、連絡に追われます。マンションリニューアルの監督から梁の大きさとカーテンボックスの作り方の相談があり、コンクリート住宅のリニューアル工事は、現場でセントラルの打ち合わせと間仕切りの墨だしを行いました。白石の現場は役所の完了検査です。こちらとはかってが違うのと、一工務店が請け負ったのではなく、分離発注および施主発注という特殊な施工体制で、なおかつ材料支給という複雑なリクエストのため責任の所在を明確にする監理が必要でずいぶん戸惑いましたが、無事終了したようです。この条件で仕事をしてくれたみんなに感謝です。昼からは確認申請の図面打ち合わせ、中央区O邸の8フイートドア取り付けに伴う修正工事の打ち合わせです。H女史とN女史は材料発注の連絡や内装屋との打ち合わせ,経理関係の事務処理、振込みなど大変そうです。このような日常のじみちな仕事をしっかりやることがいい家につながります。規格住宅ではなくオンリーワンの家作りであればあるほどこの連絡と打ち合わせが重要です。      このようなえらそうなことを書いていたらK棟梁から電話があり「小澤さん、打ち合わせの時俺のスケール持っていったでしょう。二つ目ですよ。返してください。」と抗議の電話が入りました。確かにポケットの中にスケールがはいっていました。ペンにしろ、スケールにしろ買ってもないのにどんどん増えてくるのはこういうことなんでしょうね。

解体

コンクリートの建物のリニューアルが始まりました。コンクリートの場合一番大変な作業である解体から始まります。なかなか崩せず粉塵で真っ白になります。  チリの救助活動というタイムリーな映像がニュースで流れているからか掘削機を手にしたくなります。N女史と現場に行き機械を手に持ってましたが、この作業が似合うのは筋肉隆々でシュワルツネッガーとほぼ同等の腕を持つH女史をおいてほかにいません。  今週で解体を終え、週明けには大工、設備、電気、セントラルエアコン全員集合で打ち合わせの予定です。 帰りの高速はわたしが運転しました。今月正社員になったばかりのN女史は助手席のシートをリクライニングさせ、気持ちよさそうに寝てました。大物です。さすがH女史のアシスタントを3ヶ月こなしただけのことはあります。たのもしい男前の仲間とがんばっていきます。

新ホームページ

今回私たちが活動している家作りについて、具体例やコメントを交えて新しいホームページをつくりました。徐々に完成度を高めていくつもりですが、とにかくスタートしました。ぜひごらんください。一年前の今頃はデザイン設計しかできない無知な自分がどういう立場に追い込まれているのか頭の整理もつかないまま目の前のやらなければいけないことをただ必死でこなしてました。まだまだ引きづらされてることも多いのですが、自分なりに誠意を持って対処しながら仲間と妥協せず家作りを続けられたのは皆さんの協力のおかげです。感謝してます。地に足をつけていい家を作りたいと思います。

新しいホームページアドレスは下記です。  なおブログなどの更新は引き続きこのホームページで行いますので、お手数ですがしばらくは両方ご覧ください。

http://www.dart-kikaku.com/

職人、大工

F大工が連休を利用して家族旅行に行ったようです。千円高速で大阪USJ、奈良、和歌山などめぐり二千キロ走破したらしく、楽しい土産話を聞きながら煙突トップの板金を取り付けに白石に走りました。南紀白浜や勝浦にも行ったみたいで、私も以前きれいで楽しかったおもいでがあるので、二人で盛り上がったのですが、東大寺にいけなかった事を悔やんでいる様子を見て、根っから「大工」なんだと感じ、ほほえましくなりました。白石に着くと左官がキッチン、バス、マントルピースなどのタイルを貼ってました。「小澤さんたちはようこんなタイルをみつけますなー。私たちも長く左官しよるけどこんな感覚でタイルを貼らされるのは初めてですよ。貼ったらよかですもんねー。よそと違う。長いこと左官してますがびっくりさせられことばかりですよ。コーデイネートがよか。」とH女史に聞かせてやりたいほどほめてくれました。本物の材料を思い入れのある職人の手でどうしたらよりよくなるかを考えながら作ることで「物語のある作品」が生まれます。何年たってもそんな家にはわたしたちや職人が出入りしてオーナーと家作りの思い出を語り、維持管理しながらさらに進化させていきます。私の無理難題にお金を度返しして、心意気で協力してくれる職人仲間に頭が下がります。いつか恩返しをしたいと思いますが今はいっしょにプライドのもてるいい作品をつくろうと努力する事が大事だと考えてます。

南紀

覇気ある若者に会いたい

政治家やコメンテーター諸氏が地方の危機、国の危機を叫んでいる。しかし現状を叫ぶだけで気概があり、志がある強いリーダーが現れない。それ以上に深刻な問題は若者が消極的で何とか食べていければいいという姿勢で、夢や希望にチャレンジして責任を取らされたり、失敗することを恐れうずくまってる気がします。自分たちレベルで今やらなければいけないことは、自立できない若者に仕事をとうして活をいれ、夢や希望を持って社会貢献させることだと思います。若者の頭の良さや吸収の早さには驚かされます。私もまだ自分のことで精一杯ではあるのですが、彼らと仕事をとうしてふれあうことで自分の勉強や刺激にもなると考えてます。徒弟制度のような環境のなかで働いてみようと思う若者がいたら連絡ください。この仕事は、人と出会い、喜んでもらい、安心していただくためにデザインを磨き、感性を養うのです。一生をかけるにふさわしい仕事です。覇気ある若者に会いたいものです。

仕事とは人と会うこと

ベタでアナログのわたしは、メールすら満足にできません。携帯は話すもの、図面も手書き、・・・・・。とにかく人と会って顔を見て話すというのが私の仕事の基本です。最近、昔の仲間や入居者、知人、友人など多くの人が連絡をくれるようになりましたがほとんど電話です。そのたび、事務所や外で会う約束をします。H女史曰く人と会うといいにしろ、わるいにしろ化学反応がおき何かが生まれるそうです。お金もできるだけ会って手渡しすることで「反省会」と「がんばろう会」が自然と行われます。近況報告やアイデア、新しい発想など人と会うところから始まるように思います。「効率」がいいとか悪いとかよくいいますが、自分の足で訪ねて、触れて、話して、見て・・・そうしないと本物を見つけることも出会うこともないようにおもいます。だからかんぺいちゃんのアースマラソンを応援しています。凄いと思います。私たちの家作りは「非効率」を喜んでいただく仕事です。たくさんの化学反応を起こしながら仲間と共にいい家を作りたいものです。

本物を学び、建てたからこその喜び

十五年前に建てていただいた筑紫野市のT様ご夫婦に声を掛けていただき、さっそくおじゃましました。つたの絡まった外壁は古くなっていますが味があり、なかから七匹のワンチャンの泣き声が聞こえてました。先生と奥様の温厚な笑顔に迎えられてなかにいれていただきました。定番のオイルステインの66木製ドアと19ミリのオークフローリング、そして蒔ストーブがかもし出す「アメリカ」がそこにはありました。黒ずんだ壁や天井もけっしてイヤではなく、腐食ぎみの木製デッキでさえいい雰囲気があります。「何ですかこれは・・・。いい味出してますね。」「今我々が作っている家にないものが何かわからないですが、ここにはありますね。」と口走ってました。「ワンチャンがすべるのでワックスもかけてないのよ。」とおっしゃってましたが、さすがムク材、いい感じです。人工的に作られたものが年月がたつと「ボロ」になり人を不快にするのに比べ自然素材で作られた家が年月と共に味わい深くなるかを目の当たりにした思いです。心して増築案を考えなければ、新しいところが軽く感じられるかもしれません。がんばります。話は変わりますが最近H女史が長くアメリカに住んでおられた方と家の話をする機会があったようです。人づてに聞いた話ですが「Hさんの感性と知識には感心しました。本当のアメリカンハウスを語れる人に初めて会いました。よく勉強されてます。」とその方がおっしゃってくださったようです。苦労続きですがこの仕事が好きで、家とは謙虚に向き合ってきたことが今を支えてくれているように感じてます。これからも「本物」にこだわりたいと思います。

夜景撮影

室見が丘のT邸の撮影がありました。室内2カット終了後、ライトアップした夜景をとることになりました。カメラマンと打ち合わせしながら窓の明かりや外灯、空のグラデーションを考え6時半ごろシャッターをきりました。この家のスタイルは数年前、サンデイエゴを訪れた際見たもので、カバードポーチのあるかわいいデザインにひかれ、これまで何度も手を動かし試行錯誤しながら成熟させてきたおもいいれのある住宅です。うれしいことに斬新でありながら暮らしやすいという評価をいただいてます。「周りの住宅とは一味違う表情の佇まいですね。」とカメラマンも高く評価してくれてました。プロがシャッターを切る前に私も含め、N女史、オーナーも自分のデジカメで撮影しました。仕事が形で残り、それが画像で保存されることは幸せです。撮影中昔一緒に家を作っていた仲間二人から同時刻に電話をもらいました。「撮影中」というと「見たいなー、今度あって飯でも食べよう。」「近いうち事務所にきます。」懐かしく、うれしい電話です。

人を思う気持ち

N女史が運動会のため休みの日曜日、H女史と朝出勤するとテーブルにおにぎりとおかずが書置きと一緒においてありました。「食べてください。今日休ませてもらいます。」運動会のために作ったお弁当をわざわざ朝早く届けてくれて、前夜打ち合わせのため使った食器もきれいに洗ってくれてました。わたしもH女史も「きもちがうれしい。」といいながらおにぎりと卵焼きにかぶりつきました。その後K大工と今予算オーバーのガレージハウスの打ち合わせをしました。彼もまた気持ちで物を考える人で、「予算も厳しいけどお客さんは、アメリカのガレージをほしがってあるはずやから、簡単にあきらめんで、喜んでもらうにはもう一工夫しましょう。」といいながら帰っていきました。いつもながらH女史は忙しく走り回っているなかで、現場への心遣いも忘れてません。現場の養生、掃除などアドバイスする中で、お客さんが見に来られてどうしてたら喜んでいただけるかを職人たちと話しあっています。大事なことです。また、今リニューアル中のオーナーとの打ち合わせの準備をしながら「このモールは喜んでもらえると思いませんか?」「この照明を気にいってあるので、エアーでとります。喜ばれるでしょう。」・・・・・・・・・どうしたら人に喜んでいただけるか、仲間が喜ぶか。これをいつもかんがえられる人でありたいものです。日常生活でも、料理,洗濯、掃除など誰かに喜んでもらうためと思う気持ちでやることは自分のエネルギーにもなります。私たちを喜ばせてくださるオーナーにたくさん出会って、力をもらってがんばって来れました。全ての行動に人を思う気持ちを織り込みたいものです。気持ちが通じないことがあってもあきらめずその精神を持ち続けたいと思ってます。えらそうなこと書いてすいません。でも食事に行っても、買い物をしても、その気持ちを持っている人に出会うことで、リピーターになるのではないでしょうか?