好物と浪費

型枠検査のため白石の現場に行ってきました。一人では寂しいし、疲れるのでF棟梁をさそって運転してもらい一時間四十五分かけて到着しました。暑い中、大工である施主のお父さんとお兄さんが基礎屋を使わず、自分たちで丁寧に工事をしていました。鋼製型枠ではなく、新しい合板型枠で立ち上がりが組まれ、金曜日コンクリート打ちだそうです。最近、経費節減のため高速を使わなくなったのですが、下の道を走ると、いろいろな好物や懐かしいもの、珍しいものが目に入り、寄り道してしまいます。小城を通ると、「水田の塩羊羹」を買い,三瀬を通ると「三瀬そば」を食べ、北山では評判のパン屋に寄りました。合計すると高速代の三倍くらいつかってました。F棟梁からは、家族への土産まで要求され、「こんなだったらいつでもお供しますよ。」と笑顔で帰って行きました。節約が浪費にかわり、やや自己嫌悪になりました。

地縄張り

中央区の「正統派の輸入住宅」O邸の地縄張りをしました。どの家も地縄は小さく見えます。「えーこんなに小さいの。」と心配顔になられたオーナーを何人も見てきました。工事が進むにつれて建物は大きくなるように感じるものです。しかしながら今回のO邸は85坪です。「地縄の段階でこの大きさなら上棟の時はそうとうおおきいなー。」と張り終えた地縄を見ながら大工と話しました。大工もこの家に携われることがうれしいようです。夜は、設計のS氏とコーデイネーターのH女史、輸入部材担当のK氏と4人でコンビニおにぎりと麦茶で小腹を満たしながら細かいマテリアルの打ち合わせをしました。いよいよ始まります。

様変わりする結婚式

親戚の結婚式に出席しました。場所はノートルダムマリノアです。海辺のチャペルで外人の牧師、賛美歌、ファンファーレで結婚式が行われ、チャペルの階段を出席者のフラワーシャワーを浴びながら中庭に下りてリムジンに乗り込むという、まさに「欧米か」と言いたくなるプログラムでした。海外に行かなくても「夢の挙式」を提供してくれるようです。建物もそれなりのマテリアルをつかい、悪くありません。見慣れたモールデイング、ウインドウヘッド、三方枠などたくさんありました。パーテイー会場は大きなガラスから、博多湾、能古島が間近に見え、明るいリゾートレストランの様相です。歴史がない分、文化も人も真似事のように感じましたが、デイズニーランド、ハウステンボスなどのテーマパークにはじまり、インターネットをはじめとするメデイアによる世界の情報によって、明らかに若者の間で欧米文化が根ずいていってます。輸入住宅が将来増えていくと今日の結婚式に参加して確信しました。その文化が定着する頃「本物と偽者」のみわけがつくはずです。だからこそ本物を作り続けます。

恩人からの電話

私は、約20年前,30代前半の頃、初めて手がけさせていただいた輸入住宅が総レンガ張りで150坪のY邸でした。Yご夫婦はヨーロッパでの海外生活の経験もあり、妥協のない本物のエレガントな住宅を希望されており、まだ知識も経験もない私は緊張感いっぱいで、必死で設計し、打ち合わせをしました。一生かけても経験できないような作品を、若造だった自分に「若い感性に賭けよう」と託してくださったことに感謝し、その後のデザイン屋として、恥ずかしくない家を作れるようにしてくださったのもYご夫妻のおかげです。竣工式の時、引き渡せた喜びと、緊張感からの開放で、不覚にも号泣してしまいました。いい住宅をたくさん作ってきたつもりですが、取引先のアメリカの業者が「アメリカでもめったにない。すばらしい。」と感嘆の声を上げてくれたのはY邸でした。昨日そのY奥様からお電話をいただきました。「元気でがんばってますか。」と言う優しい言葉が身にしみました。20年と言う長い歳月のなかで、それぞれ訪れた試練に立ち向かい今、がんばっていることに凄く共感でき、また勇気の出る言葉を頂うれし涙をながしてしまいました。私の人生の節目に必ず声をかけてくださるY様に感謝します。人にしても、物にしても「本当の本物」が少しわかりかけてきた今からが、自分でも楽しみです。

Y邸邸ダイニング

Y邸玄関ホール

デコレーション造作

百道浜のリニューアル工事の大工造作が終わりに近づいてきました。ウインドウヘッドや階段親柱などデコレーション造作も次々と完了しています。日々変わる空間をオーナーも楽しみにしていただき、毎日足を運ばれます。特に輸入住宅特有の玄関ドアデザイン、キャビネット、モール、内部ドア、洗面ボール、カランなどは、満足いただいているようです。今日から外壁を塗り替えます。数日後は外部の窓周りや外灯取り付け台座などのウレタン系デコレーションが取り付けられ、より一層ご満足いただけると確信しています。後、半月で完成です。いよいよあわただしい、活気ある、楽しい内装工事がはじまります。

キッチンキャビネット設置

昨日から本格的に百道浜で二邸同時にキッチンキャビネットの組み立てに入りました。歩いて1,2分の距離なので、あっち行ったり、こっち行ったりでほぼ1日現場にいました。西新の事務所からこれだけ近いところで二邸の現場が持てることは大変ありがたいことです。一軒はメイプル材のビストロブラウン色でカウンターはグリーンの大理石がまわり、壁にも200角の大型タイルを貼ることで、重厚な仕上がりになります。もう一軒は、リニューアルのテーマでもある「ブルーリゾート」らしくパネルはMDFのボーン色で各所にモールなどのデコレーションを施す予定です。またIHの前壁にブルーのモザイクタイルを貼り、明るいキッチンを演出します。どちらも個性的で広いキッチンが出来上がるはずです。一見の価値ありです。配管、コンセント、照明工事、シンク、IH、食洗器、カラン、浄水器など打ち合わせることはたくさんあります。ここ数日コーデイネーターは二邸を走り回るはずです。

着工前打ち合わせ

中央区の「正統派の輸入住宅」は着工にむけて、関連業者と細かい、打ち合わせがつづいています。今の段階で,疑問、質問、心配事、段取りなど出し合って解決策を話し合うことが大事です。これだけレベルの高い大型住宅になると、どの分野においてもいい緊張感に包まれます。デザイン設計、現場管理と言う立場で仕切らせていただくことで、施工に対して厳しい要求ができ、それがいい家につながることになります。大きい声を出すことも多々ありますが、やる気と知識のある人、適正な見積もり、そしてなにより家作りが好きな人を厳選してスタートします。今までの打ち合わせを形にするため模型を依頼しました。模型は、飾り物ではなくオーナーにとっても、職人にとっても、我々にとってもいい家を作るための必須アイテムであり、家作りのモチベーションがあがる道具です。プライドを持ってこの物件にのぞみます。

施工中の満足、打ち合わせ中の満足

いい住宅屋は、出来上がった家だけではなく、お客様に、打ち合わせ中も施工中も満足してもらわないといけません。そのために必要なことは、細かい連絡と、納得いく準備と段取り、すばやい行動だとおもいます。「ま、とりあえずこれでいいか。」をなくすように心がけています。今、再計画を2邸依頼されていますが、自分が納得できるものができてませんので、少し時間をいただきました。ほぼまとまりかけていますのでここ2,3日でご提案できそうです。わたしは持続力がやや欠落していますが、集中力には自信があります。がんばります。白石の現場は基礎配筋中です。『現場レポート』をごらんください。百道の現場は外壁の色も決まり、高圧洗浄中です。もうひとつの百道のキッチン改装工事もいよいよ今日から解体です。中央区で着工間近の正統派の輸入住宅は、打ち合わせ後の正式見積もりを提出しご納得していただきました。その際ご自宅にお邪魔したところチビッコ女性マジシャンからマジックを披露してもらい楽しい時間を過ごせました。本当に上手で驚きました。基山のリニューアル工事の見積提出、打ち合わせも順調に進んでいます。皆さんと笑顔で前向きな話ができていることが何よりです。日曜日の午後、18年前に建てていただいた北九州のNドクター夫妻が訪ねてきてくださいました。懐かしく、楽しくお話ができ、充実した時間でした。「18年たったいまもすてきですよ。」といっていただけるのは住宅屋冥利につきます。

大量のキャビネット到着

スタッフの努力の甲斐あって二邸分のキャビネットが無事百道の現場に到着しました。運び入れるのも大変なくらい大量で今から場所ごとの仕分けを品番と照らし合わせて行います。出入り口前を掘削した動力引き込み工事も無事終了しました。室内は大工造作工事も終わりにづき、塗装の下塗りにはいってます。いよいよ本格的に内装工事が始まります。31日からは同じ百道浜で、キッチンリニューアル工事にはいります。解体に2日、新規取り付け、つなぎこみ等で4日ほどの工事です。今のキッチンも高価なものですばらしく、リニューアルの必要はまったくないのですが、輸入キッチンの魅力的なデザイン性と使いやすさをよくご存知で、おもいきってリニューアルしていただくことになりました。百道浜で同時期にデザインの違う二邸の大型キッチン工事をさせていただくことになり、ありがたいかぎりです。興味のある方はご案内します。現場レポートでも進捗を報告するつもりです。今朝は現場に大型トラックや電気工事車両がいたためか、お隣の男の子外がに出てましたのでついカメラをむけました。子供でも外人はこんな格好がさまになります。

頼もしいスタッフたち

いろいろな分野でいろいろの人たちが協力し、働いてくれてます。この1年半苦労の連続でしたが、以前10人がかりでやっていたことが今では3人で充分こなすことができます。経理、通関、部材発注、海外とのやり取りや送金、支払い、などほとんどは、スタッフが勉強してこなしているだけではなく、厳しく相見積をとったり、交渉したりして節約しながら、中身の濃いものにしてくれています。もちろんインテリアコーデイネートの仕事も切れ味鋭く以前より精力的にこなしてくれてます。以前の職場のやり方がどれだけ漫然と人と金を使って仕事に壁をつくり成長がなかったかを思い知っています。それが一人前でもないのに自分の仕事はこれだといわんばかりにキャパシテイをひろげようとする努力すらしない人の集団になっていたように思います。今、入居後の手直しなどは、大工や職人が直接責任を持ってオーナーと話し,工程を決め、養生なども考えて満足いく対応ができるように、徐々に変わってもらってます。いわれたことをやるだけ、仕事が来るのを待つだけの職人を時代は必要としていません。実施設計、確認申請もS氏にがんばってもらうことになりました。今までやってきたそれぞれの仕事のレベルをあげながらこれだけ新しい仕事にチャレンジしているわけですから休日もなくクタクタニなり、ストレスもたまります。ときどき奇声を上げたり、意味不明の方言でまくしたてたり、挙動不審の動きをしたり、バカ話をしたりしてストレスを発散しながら夜遅くまでがんばってくれています。「自分達ががんばって、手にしたお金は大事につかおう。」この気持ちがある限り、人は成長し、いい家を作る知識と感性は進化するはずです。少しづつでも本当の「少数精鋭部隊」に近づきたいものです。この姿勢は必ずお客様に伝わり人も家も他との差別化が図れると信じてます。心配事と言えばみんな食欲でストレスをごまかすことが多々あり徐々に巨大化してます。「少数精鋭部隊」は「大型精鋭部隊」と呼ばれそうです。とにかくもうしばらくはがんばり続け、いい組織を作り上げ、協力いただいた多くの人たちにご報告したいと思っています。

キャビネットの通関書類の一部