最近思うこと

桜は満開です。天気のいい青空に良く映えてます。天神の店舗、北九州N邸の二期工事、の着工準備におわれながらも元気で動き回ってます。天神の店舗は小さいながら中身の濃い仕事を要求されており、やりがいのある仕事です。オーナーの計らいでH女史に全ての内容を任せてくださり「自分がいいと思うものを、手心加えずやりなさい。」と夢のようなチャンスをいただいています。オーナーのご自宅の出来栄えを見てくださり、信頼いただいたものと思っています。H女史の力ならいい作品に仕上げるはずです。今まで彼女は上っ面ではなく、中身の濃い「本物」の仕事をこなしてきてますからまちがいありません。

震災の影響でいろいろ考えさせられることがありますが、こんなときほど「本物」が物を言うことがよくわかりました。ここのところ日本全体が薄っぺらな文化に犯されていましたから再考するにはいい機会かもしれません。

アイドルたちの意味不明の歌ではなく「ふるさと」など唱歌が胸を打ち、北国の春が歌われているようです。グルメなどの必要以上の高い食べ物がもてはやされていたのに今ご飯とあたたかい味噌汁が一番うまいと喜ばれ、華美な衣服に人が群がっていましたが、動きやすく丈夫で清潔さを保つため洗濯しやすいものが好まれ・・・・・そして水、野菜、魚は大事です。

何より必要なことは本物の知識と思考と経験を兼ね備えた人間力です。「教育」が一番大事だと最近思います。

 

 

H夫妻からいただくエネルギー

日曜日、中央区のご入居者Hドクター夫妻が訪ねてきていただきました。ご夫婦の感性は私たちの家作りの感性そのものであり、いつも勇気づけられます。いつも不安、迷い、弱気と戦っているのですが、Hご夫妻と話すと自分たちの考え方はまちがってないんだと自信がもてます。ご夫婦がお互いを対等に認め合い、プラス思考のライフスタイルで、何より家を楽しんでいただいてます。

暖炉を楽しみ、庭でのテイータイムを楽しみ、キッチンでの料理やお菓子作りを楽しんでいらっしゃるようです。今回いただいた甘夏のケーキも絶品でした。甘すぎず、ヘルシーでいて、しっとりしてました。

私どもの家作りをお知り合いにコマーシャルしていただいていることも、ありがたく感じてます。「ご入居者が財産」という言葉がいつも思い出されます。

 

 

老うことは素敵なこと

世の中の閉塞感のせいかどうか、今年は満開の桜の存在が薄いようです。久しぶりに集中して図面を書いてます。老眼をしても二時間も書き続けると目がかすみ十分ほど休憩します。物をどこに置いたか忘れたり、名前が出てこなくなったり、階段で足腰の衰えを実感して皇潤を飲もうかと悩んだり、肩の介の字貼りとふくらはぎの子持シシャモ貼り(N女史命名)の湿布が手放せず確実に老いていってます。その老いを受け入れ、向かい合うと素直で正直な自分をさらけ出すことができ、中身の濃い人間関係ができつつあるように感じてます。四十、五十は鼻垂れ小僧といわれる時代ですが、私の周りにいる魅力ある人たちは、若い人より熟年の方が圧倒的に多いように感じます。あるオーナーから教えてもらいました。年をとると、恥がかけるようになり、怖さがなくなり、自分の意見を言えるようになり、人に意見できるようになる。「でもそれを手に入れるには若い時から真剣に謙虚に働き、自分に自信を持てなければね。」もうひとつ教えられました。「好きで仕事をやっている人には結局かなわないのよ。そういうひとは年をとるほどかっこいい顔になろうが。」話してくれた六十半ばのこの人こそがとても魅力的です。

 

 

蟻との戦い

築五十年のH邸はかなりシロアリにやられている形跡が見られ、建て替え予定なのですが、年回り(厄)の関係で後少々もたせるため、活動時期前に床下、天井裏,小屋裏等点検し薬剤噴霧、柱梁などは薬剤注入、被害が大きいところは大工に補強をお願いし、まる一日で終了しました。蟻の被害箇所は建築をやっている者にとって、一番見たくないものです。悲しくなります。材料の選定、薬剤塗布、雨漏りが蟻との戦いのキーワードです。俗に言う「建築の基本に忠実に」ということだと思います。

一日材料を運んだり、養生をしたり、掃除をしたり職人さんの下働きをしてやや体がパンパンです。いろんなことを教わりながらの充実した一日でした。予定の目的をやり遂げてお疲れさんと笑顔で帰って行く身近な達成感は、幸せな気分にさせてくれます。

顔の見える仕事

佐賀のマンションリニューアルM邸引渡しのためここ二,三日夜遅くまで現場に付きっきりでした。いつものことながらF大工とH女史の仕事ぶりは頼もしく、プライドを持って動いてくれます。我々の作品はプライドをもてますがそれ以上にオーナーに満足してもらおうとする姿勢を誇りに思います。オーナーにもその気持ちが伝わるようで「F大工さんにお願いしたい。」「F大工さんにお洒落な造作をしてほしい、」と、顔の見える大工として認知されてます。H女史も同様で彼女の情報量、知識はすごいのですが、オーナーの要望をじっくり聞いて、謙虚な姿勢でタイムリーなアドバイスをおくっています。一コーデイネーターの域を超えて、一流の女性住宅屋としての顔がみえはじめてます。今日もある入居者のかたから「HさんとF大工と打ち合わせをして飾り棚を作ってほしい。」といわれました。顔の見える仕事ができて一人前です。

元気だそう

昨日,私用で日帰り東京往復しました。日曜日ということだけではなく、地震の影響なのかいつもの活気がありません。静かにしたり、我慢したり、騒いだりすることが不謹慎であるかのような風潮は元気をなくします。普通の暮らしができる地域はいつも以上に張り切って元気を出して被災地区の分まで稼ぐぐらいの勢いが必要だと思います。高校生の甲子園まで応援規制をする必要はなく、野球も応援も若さを前面に出して暴れまくらせてやるべきです。その若者の姿を見て明日の日本に希望を持つわけですから・・・・。この災害で怖いのは日本全体が「萎縮」してしまうことです。いま必要なものは「元気」です。元気なメッセージを発信しましょう。小泉さん、はったりでも何でもいいので一言発してもらいたいものです。芸能人、著名人被災地に入り、今こそ笑わせたり、元気のでるはなしを明るく大声でやるべきではないだろうか。?できる地域からいつもの生活に戻り明るく楽しく元気にがんばりましょう。

 

存在感と責任感

東電のトップ連中の顔が見えません。存在感と責任感のかけらも見えません。こんな時のために高い報酬を取っているのでは?とつい皮肉のひとつも言いたくなります。たたき上げの力もなく、人望もなく、学歴と組織のお飾り的人事で上にたどりついたに違いないように思います。

日本のリーダー達の存在感と責任感も危いものです。政治家とわれわれは埋めることのできない温度差を感じます。今の政治はまともじゃない連中のたわごとのように思うのは私だけでしょうか。賛否両論ある政治ではなく、こりゃだめだの政治です。このようなときに、日本のことを考え、頼りになるのは末端で毎日汗を流している国民自身だと痛感します。

私を熱くしてくれた人たちはいい悪いは別にしてダミ声で明日の夢を語った田中角栄、いつもお客さんがどうしたら喜んでくれるかを考え、ハッスルプレーを心がけた長嶋茂雄、     歌の美空ひばり、映画の石原裕次郎、漫画の手塚おさむ、監督の黒澤明・・・・・・今人をひきつける、元気をくれるリーダーが必要です。営利目的の大きい組織がいかにもろいかを思い知った今、コミュニテイー単位でリーダーをつくり、本当の意味で強い日本にしましょう。

生活に直結した建築屋

筑紫野T邸母屋の増築工事に入ります。アパート外壁塗り替え、借家リフォームと工事をさせていただき、いよいよメインイベントです。月末最終打ち合わせとデッキ解体を行い、四月から基礎工事です。素敵な熟年夫婦のライフスタイルのお手伝いをさせていただきます。薪ストーブのあるペットと共に暮らす家がテーマです。痛み具合を調査して的確な予算配分が必要です。責任重大です。

H邸は在来木造、築五十年ですがシロアリにやられてます。そろそろありの活動時期になりますので、建て替え予定時期までの二年をなんとか駆除したり補強処置しながら生活できるようにしなければなりません。責任重大です。

中央区の商談中のオーナーは古い鉄骨造の物件をみて、耐用年数、雨漏り、アスベストの有無、配管の老朽化等チェックしてほしいというご要望です。責任重大です。

設計、デザインをする以前に住まいのコンサルタントとしての役割が必要です。オーナーの生活に安心と快適を与え納得していただくための調査と提案が大事です。今こそ、生活に直結した建築屋の仕事をこつこつこなし、素敵なデザインにつなげたいと思っています。

 

 

古湯のちゃんぽん

F大工と早朝から佐賀のマンションリニュアルM邸にいきました。今月中に完成予定です。モールや造作家具にこだわり、マンションライフには考えられないような住まいになると思います。帰りが昼ごろになり、祝日でもあるので以前ラジオで「古湯温泉の共同浴場にある食堂のちゃんぽんがうまい。」という情報を思い出し、少し遠周りになりますが行きました。昭和の田舎の食堂そのもので、高倉健がでてきそうな雰囲気です。おいちゃん、おばちゃん二人で十時から三時までの営業と書いてあります。白いスープのちゃんぽんは絶品とまでは言いませんが、野菜もしゃきしゃきして、めんもおいしくいただきました。ラーメン通のF大工も焼き飯ともどもスープまで完食してました。「ちゃんぽんも替え玉があればいいですねー。」といつもどうりぼそぼそと、わけのわからないことをいってました。

誕生日

誕生日が来ました。去年よりあきらかに老眼がすすんでます。髪の毛も去年の写真よりやや後退してます。物忘れはひどいものです。体力は落ちていますが、わがままは進化し続け、口うるささも健在です。やりたいことがいっぱいあって「人生というのは時間が足りない。」というのが口癖で、かちかちかちかちせっかち君とH,N両女史から命名されています。自分でも動いてないと落ち着かない性格だと自覚してます。誕生日を機にいろいろ改めるのをやめて、「腐れ爺」を目指そうと思います。いくつになっても「俺の目の黒いうちは・・・・。」「近頃の若い者は・・・。」といいながらまわりのスタッフに煙たがられながら家を作り続けたいものです。

しかしながら、好きな仕事ができ、H女史N女史が支えてくれ、オーナーからも助けられ、幸せに年を重ねていると感謝してます。ただみんなに迷惑をかけないだけの体の自己管理をはじめなくてはと思っている五十五歳です。