住宅デザイン

この仕事をしてもうすぐ50年です。とはいってもまともにデザインができるようになってま だ25年程度です。必死で、うつくしいむかしの本にかじりつき、何度も何度も書き直し、緊張と心配と不安でくたくたになってました。楽しいとか、うれしいという感覚は最近覚えたような気がします。俗にいうデザインが下りてくるという感覚はひらめきとは違い、多くの家を建ててきた数に支えられています。バランスがいい美しい家は、指先が覚えてくれていて、今ではすいすいと書けるようになりました。ただ新しいデザインが生まれることは簡単ではなく、昔と同じで多くの本や、映像や、エスキスの積み重ねで偶然生まれます。でも今だジョージアンスタイルのシンプルな美しさを追い求めています。自分の作品が後どれだけ作れるかわかりませんが、これから自分に自分で期待しています。それはきっと古きアメリカの住宅のようなもののような気がします。