昔、応接間として狭い部屋にでっかいソファーがキューキューに置かれ、ほとんどが使わない「ソファー置場」の部屋になっている家がありました。日本住宅の文化は「客間」を重要視してきたように思います。お座敷もその1つで日当りの良い一番いいところをお客さんのために確保しておき、自分達は四帖半や六帖の茶の間で生活する。それはそれで大家族で親族も多く人との交流がさかんに行われた証でもあり冠婚葬祭も自宅というよき時代だったわけです。現代の住宅においては、フォーマルダイニングをつくることをお勧めします。お客さんをもてなす食事だけでなく、会話にしろ、物を広げるにしろ、書き物をするにしろソファーによる応接より随分重宝します。エントランスのすぐ横にあり、キッチンからは近いけど見えないという位置が理想です。キッチンと一体になったファミリーダイニングとは異なる空間、用途のフォーマルダイニング。お勧めです。写真の絵画はチャーリーの力作です。
2008 S邸(福岡県粕屋郡)