転機

10年になりますが、熊本T邸。メンテに行きました。お留守で工事は後日になりましたが、いつ訪れてもいまだ緊張します。福岡からほぼ3日に1回くらいの割合で通い、こだわって、こだわって作った新しい形の輸入住宅です。この作品から小澤は変わったとよく言われます。アメリカの物まねから作風が変わり、独自のデザインをするようになったといわれます。緊張してかかわった7か月だったように記憶してます。大工にも細かく注文しました。向こうの雑誌や本を改めて見直し勉強したことが今、自分を支えてます。転機の作品です。もちろんどの作品も自分を勉強させてくれました。ただこの家の前に立つとやや涙が出そうになるのです。こんな家づくりができてることに感謝です。

 

法規との戦い。役人との戦い・

老人ホーム、中央区建売デザイン、南区M邸どれも法規的に難しいものばかりです。難しいというより、くだらない解釈で、役人が難しくしているだけなのですが・・・・・・・・。法規は役人に仕事を与えるためのものではなく、皆が共存して財産生命を守るためのものであるはずなのに、重箱の隅を突っつくだけつついて、だれも幸せにならず、仕事は遅れ、役人はたくさんの休みと、短い労働時間の中で、ゆったり自分のペースで仕事しやがって。民間からの税金で飯食ってるのなら民間にあわせて仕事をするべきです。。期日のある仕事、責任を持てる仕事をする癖をつけろ。それが景気の回復につながる。あんたらの仕事っぷりが景気を悪くし、我々を腹立たせ、余分な仕事を増やす。責任が自分たちにかからないように、どうにでもとれるうまい回答をする。「そんな大人が子供の教育できるなー」と思うのですが・・・・。笹井副センター長も同じです。勉強はできても、人として、男として、上司としてどうかと思いますが。

カーテンの「防炎」シールがはがれてるので貼っといてという役所の指導も、防炎カーテンを使用してるかどうかが問題で、シールを張ってるかどうかが問題ではないのですが。シールでしか判断できん奴が税金で飯食うな。勉強して出直して来いという気分です。東京都知事の舛添さんが「都職員は残業せず、家族と飯を食え。」といったときは、血管が切れるほど腹が立ちました。「できるだけ交代制にしてでも都民のため、遅くまで窓口を開けよう。休日も出来れば開けて少しでも企業や都民に貢献したい。」これが本当の公務員の姿でしょう。どっしりした大人の男が親分にふさわしいのですが・・・・。

学者の常識、大人の常識

理研の学者は、ノーベル賞に近い人たちと聞いていますが、世の大人との常識のずれがひどいと感じています。ノーベル賞なんぞ、「人」は評価の対象外とわかると、大したもんじゃないなと思ってしまいます。「倫理とか人道」「義理、人情」そんな大人として持つべきもののかけらも見えません。よく言われる勉強ばかりして、「世間知らず。」ということです。「人に愛される学者。」日本にいるのでしょうか?日本人が誇りにできる学者はいるのでしょうか?

松井秀樹という野球選手は、アメリカで目を見張る成績でもなく、ヤンキース生え抜きでもなく、それでも引退したいまもチームメートやマスコミやニューヨークの人に愛されてるのは「真摯な態度の常識人」だからです。大人の常識を兼ね備えた野球選手もそうそういませんが彼は日本人が誇れる大人です。

レベルの低い組織の中の技術者

食っていくためとはいえ、組織にすがる建築技術者の一貫性のなさは、営業マン以上かもしれません。在来木造がいい。といってた人が軽量鉄骨メーカーに移ったり、ツーバイフォーに変わったり、住まいは一戸建てと言ってた人がマンションを売り出したり、・・・・・まあ、そんな人は下手な技術者ばかりですが。

先日ある住宅会社の設計の人に会ったのですが、「日本の家は日本の風土に合った在来木造で、日本の木じゃないといけない。」という、今時、天然記念物のような人に会いました。なら、着物来て、草履やげた履いて、ほぞ穴開けた構造で障子やふすまで暮らせと言いたい。その会社の建ててる家は在来木造と言いながら、木を金物で固め、洋風の空間を、プラスチック製の本物に見える偽物で覆われた、コストパフォーマンス住宅です。昔ながらの在来木造は、和の暮らしを、快適にするため、梅雨を乗り切るための工法です。したがって、東北、北海道、沖縄では根付かず、各地で、独自の作り方が生まれたわけです。ツーバイフォーは世界各地、ほとんどの国で、合理的で耐久性に優れかつ洋の住まいに最適だということで支持されている、グローバルスタンダード工法です。それを安く改良しているメーカーもありますが・・・・・。世界で通用する家を作らずして、どうすると思うのですが。世界で少し前まで言われていた、世界一幸せな男は、「アメリカの家に住み、ドイツの車に乗り、日本の女性を嫁さんにすること。」今となっては嫁の部分は当てはまらないことは認めます。

その会社の在来木造神話は西洋医学を否定し、その土地土地に言い伝えられてきた薬草が一番といってるような物です。現にその住宅会社の建てた家の寿命は短い。いつまで鎖国してるの?。

恥ずかしい人たち。

小保方女史を引きずり出して、マスコミが寄ってたかって質問。この構図は何が正しいとか正しくないとかという問題以前に、フェアーじゃない。わたしが見るに、少なくとも質問している恥ずかしい職業のサラリーマンレポーターより、小保方女史の方が世の中に必要です。理研の誰より謙虚で、反省の中で、自分の仕事に誇りも持ってるようです。渡辺何とかいうみんなの党のバカ党首より、立派です。昔の、鳩山とか管とかいう総理大臣より、ずいぶんましです。年も若い女性研究者が間違えれば笑って正してあげればいいことです。失敗したら再度チャレンジさせてやればいいことです。そもそも騒ぎ立てることでもないでしょう。彼女の仕事について付け焼刃の知識しかない連中が何を偉そうに・・・・・・・。理研のお偉い連中や大人はいろんなものを背負わされ、哀れな弁明が多いのですが、彼女はまだ組織を背負っていないだけに、正義感が見て取れます。地位と名前におぼれてる大人は恥ずかしく、みすぼらしい。自分の腕で勝負しろと言いたい。

平田は忙しさで、老化が進み、テレビのリモコンを手を伸ばし、エアコンに向けて何度も押し、後ろのテレビがついたことに困惑しながら、自分で笑ってます。

宗像K邸、八幡O邸、新規門司

宗像K邸の棟が上がりました。アメリカの田舎にある、飾らないシンプルな小住宅をテーマに、アメリカのマテリアルと、暮らしに忠実でありたいというご希望で作ってます。ある意味、アメリカにこれほどかだわった家は初めてかもしれません。平屋寄棟できらびやかでもなく、野暮ったいカッコよさを求めました。吹き抜けもなく、それでいて、ハイスタット、カバードポーチ、マントルピース。

O邸はセントラルのダクト工事中です。ルートを探し確保するのがいつもながら厄介ですが、この設備がみなさんに一番喜んでいただいてます。来週から、電気の配線工事に入り、渕上大工も乗り込みます。

以前お会いしたお客様が、門司で計画依頼があり、打ち合わせと現場調査をしました。紹介してくれた店舗デザインのK氏も同行してくれました。みんなのおかげで、楽しい仕事ができてます。

突然の電話

今日は朝から新幹線で八代H邸に向かってました。1時間に1本なので、乗り遅れると大変です。ホームから電車に乗ろうとした時、携帯が鳴り、息子からです。「はい。なに。」というといつもよりやさしい口調で、「なんしよると?どこ行きよると。?あのサーまだよくわからんちゃけど、子供ができたっぽい。」・・・・・ぽい??「そりゃよかったなー。めでたいニュースやの。」私も急いでるのと戸惑いとで、「じゃあ」と電話を切り、娘にメールしました。娘ははやばやと知ってたみたいで、「じいさんやね。」病気と闘ってる家の者に一番の薬かもしれません。時は確実に流れていることを新幹線の中で感じました。あの息子が親で、自分がじいちゃんとは・・・・・。

H邸のシロアリ予防工事、防水工事、樋工事、フローリング補修工事、2週間で終われそうです。専門職の人たちの的確な作業は見ていて気持ちよく、勉強になります。

読みは経験から

八代のH邸は築25年の、邸宅です。高圧洗浄、バルコニー防水、窓周りコーキング、無垢材の研磨および、ワックスなど通常のメンテを行う中で、バルコニーの軒天を開け、防水の床を一部を開け、水をかけました。案の定少し水が入っています。すぐシロアリ屋に来てもらいチェックです。幸い、シロアリのダメージはないのですが、これから活動期です。念のため4日シロアリチェックを行います。バルコニーの石壁と軒天の、顎がないため、水が切れてないようです。修正します。軒天ボードに有孔が使われてません。これも改良点です。ただ、構造材はどこもきれいで、ダメージはありません。

いろいろな経験や、技術の進歩で、改良点を決断して、より良い家にすることがメンテです。

人生いろいろ

5年前、ぼろぼろにさせられながらも、家づくりが続けたくて、独立しました。おんぼろマーチと、一文無しと、借金の肩代わりとで、ガソリン500円分とか1000円分とか入れて平田と走り続けました。不思議と、どん底から見える景色や、事が開けた時の高揚感や、下から上を見る風景などはこれまでの人生では経験できなかったものが見えました。それはなかなかいい風景も多かったように思います。。全てに、自分がかかわることが「独立」だとわかり、自己責任の中ですべて受け入れるしかありません。会社で働くこととはかなり違います。それだからこそ、理不尽な対応の会社が許せなくなります。いろんなことが身についたようにも思います。平田は「人も、物も本物、偽物が見えるようになりましたねー。勘違いして長い間生活していたことがわかりました。でもお客様に助けられたことは何よりの財産です。」平田の口癖です。心の中の思いは私も同感です。こんなに楽しく仕事ができて幸せです。

家の者が日常の生活から、突然病魔に襲われ、大手術。今も治療を続けています。これからも戦い続けることになるでしょうが、精神的にも、肉体的にも、世の中の見え方が変わったといってます。退院して、「家」が癒しと感じ、病室は修行する道場みたいなものらしいです。

人生いろいろ。平田のものまねカラオケ18番です。いろんなものに遭遇しても、前向きであれば新しい景色と、新しい教訓に巡り合えると自信を持って言えます。悔やむより受け入れてみる事です。

新幹線

今日は朝早く、久留米の現場で仕事を終え、八代の築25年H邸メンテの打ち合わせで、久留米から新幹線に乗りました。切符売り場で、水巻のご入居者のK若先生と会いました。久医大に出勤の日のようです。       新幹線は、わずか30分くらいで到着です。便利になったものです。25年前は、高速で2時間半、または特急で行き、少し打ち合わせで遅くなると、寝台車で博多まで帰ってました。若くもありそれがまた楽しくもあったように記憶してます。皆、車窓を見るでもなく、雑誌や新聞も見ず、携帯に目を落としてます。駅舎もモダンで、システムも、デジタル化され、九州の地方都市さえ近未来的な世の中になってるんだなーと実感しました。周りとの景観にギャップはありますが。・・・・・いまだにほとんど職人の手で、5,6か月かけアナログ的家づくりをしているわれわれにとってはちっとも今のデジタル化がいい方向に向いてるとは思いません。これが総理の言う「美しい国日本」を創るということでしょうか?生活に残すべきものがまだまだあります。財産になりうるものがたくさんなります。簡単に破壊し捨ててるような気がします。古い住宅、橋、学校・・・・・少し手を入れてデザインのいいものは、文化財ではなく、生活の道具として残しましょう。われわれの作ろうとしているものは古くても愛着が持てるものです。近未来的なものは年数がたてば廃墟でしかありません。金属の塊です。この国のデザインは何処を向いているのかさえ分かりません。それって文化レベルが低いということです。

そういう意味でも八代H邸は明治、大正、昭和、平成と4つの建物が敷地内に、立派に共存してます。こんな文化的な思想をお持ちのH家は称賛されるべきです。わたしが25年前平成の家をデザインするとき、周りの家の存在感を意識しました。