10日を残して

宗像コモンY邸が後10日で完成予定です。2か所ほど手直しを指示して、クロスと取り付け物でほぼ完了です。街並みに寄与した美しい家です。10日前後にオーナーのご協力で見学会をする予定です。ここからより一層緊張感をもって、こだわって、オーナーを喜ばせたいと思います。暖炉回り、カバードポーチ回り、勾配天井の吹き抜け、バスルームのラウンド窓・・・・・・・小住宅ですが見どころ満載です。

初めてかもしれません。ブラックのキッチンキャビネットを使ってます。若夫婦と試行錯誤しながらこだわった一つの作品が今生まれようとしています。エクステリアも開始します。間違いなく、一番センスあるファサードです。

ブラック企業、ブラック社員

また訳が分からないネーミングです。休日出勤や、サービス残業をさせたり、したりする人をそう呼ぶそうです。それで精神的に病んだり、からだをこわす人もいるらしいのですが・・・・・・。こんなことを論じている人こそが幼稚な暇人です。社会に出て、お金をいただいて仕事をするということがわかっていないのでしょう。そういう人たちは、だれかの役に立つための仕事ではなく、時間をお金で売ったり、買ったりしてる人達ですから、それほど真剣に論じなくても、社会にいてもいなくても大勢に影響がない企業や人たちです。もしそんな企業や人が増えているとしたら、教育や親の育て方にさかのぼって問題があるように思います。

職人の世界や一昔前の我々の世界のように、徒弟制度がいい社会を作ると信じてます。働く姿勢、意義、技術、継承・・・・・・「いい師匠を持ちなさい。いい弟子を育てなさい。」私の師匠に言われました。

日本全体が活気にあふれたブラック企業だったころ、高度成長を遂げ、豊かな日本ができました。これからは、「質の成長」の時代です。競争力のある本物の人と物を育てるためには、こつこつと「徒弟制度」の世の中を作ることです。日本は官僚でも政治家でもなく、世界一の職人やサラリーマン、庶民が人様のためにと必死で作り上げてきた国なのですから。

 

仕事をこなしてはいけない。

言い古された言葉で、「忙しいとは心をなくす。」と書ききます。仕事ができる人と、仕事をこなす人がいます。目に見えて大変そうなのは仕事をこなしている人です。優秀なのですが、いつも態度や、言葉や行動などすべての枕詞が「やることがいっぱい。」「ばたばたです。」・・・・・・仕事は多く人と絡みます。「木を見て森を見ず」にならないように、仕事の主旨や周りの人を見て、思いやったり、真剣に怒ったり、手を打ったりする事が大事です。周りの仲間と話しながら物事を遂行することが、いい結果を生みます。ただ、大事なことは厳しく、真剣に、行うことです。ましてやリーダーになるべき人は自分が良しとする最終の形をいつも思い描いて、行動、発信することです。

我々の規模や、やりたい形は、仕事をこなしてはいけません。自分から一歩、人の前に出て、「それは私がやりましょう。」オーナーからの信頼はそこから生まれます。

今、私は通常の仕事のほかに、ある会社の建築にかかわる企画、入札,精査、打ち合わせ等、ほかの設計事務所や工務店を使いながらオーナーの思いを形にする仕事をしています。行政との打ち合わせも含め、一デザイン屋ではなく、会社の理念や方向性、効率のいいやり方、時間短縮、材料の吟味、・・・・・・・・建築の立場からアドバイスさせていただいてます。いろんなジャンルの人の知識や経験を聞きながら会社を良くしよう、自分の理想に近ずこうとされるオーナーの強い姿勢に共感し、お役にたてればと考えています。自分もこういう姿勢であるべきだと勉強もさせていただいてます。

建物の使われ方。

我々の作る住宅もそうですが 、 建物は立った後の扱われ方で、運命が決まります。住宅の場合、長く愛好して大事に使っていただけるオーナーと、造ってしまうと無関心で、センスなく散らかしっぱなしの家と・・・・・。 商業主義 で建てられた家は建ててしまえば 作り手のほうも無関心になるわけですから、絶望的建物になります。我々のじいさんばあさんの時代までは、日本人も家への常識があり、床柱や瓦や、寄棟、入母屋。数寄屋、たたみ、床の間、サオブチ、杢目、柾目、さくら、ヒノキ、・・・・・・・・植木や花の名前も知識が豊富でした。そんな言葉で家が語られてました。戦争に負けて、プレハブ的な、「なんちゃって洋風」で、早く急いで建築が行われ、材料もすごいスピードで商品化されたために、建築に対する教養がなく、見る目もセンスも今、奪い取られおり、この隙に、「建てずに売る家」「商業主義の建物」に町が覆われ、味があり、趣があり、景観に寄与する建物が激減しているように思います。

一番の基本はオーナーに会い、話し、今のオーナーの住まいを見て、打ち合わせを重ねながら交流を深めることをすれば、いい家が作れます。それを排除して営業マンからの伝え聞きで、デザインする設計屋や、建売、マンション、規格住宅……いいものはできません。

刺激

関西に行く用事があり、せっかくだからというので、芦屋の高級住宅地六麓荘と、奥池を見学しました。さすがにお金をかけた素晴らしい家ばかりです。特に昔から有名な六麓荘は町並み、庭の手入れが行き届き、汚れたままの外装がありません。家は建てれても維持することが貴重です。年月が成熟した街並みを作ります。街並みに責任が持てるだけ資力と感性を持ち得る人が住んでいるのでしょう。芸能人やスポーツ選手は少なく、企業の経営者が多いようです。大手住宅メーカーのプレハブの家がほとんど見当たりません。この中に建てると、街並みにそぐわないプラスティックの外装がチープに見えると思います。住宅デザイン屋として刺激を受けましたが、一つずつの家はそんなに遜色ありません。関西です。やや派手ではありますが・・・・。この街並みをつくり維持できる人たちの数が九州ではまだ足りてないのかもしれません。開発にしても、九州で完売させるには高級路線といっても大手プレハブメーカーの営業力に頼るしかないのでしょう。支店の街であり、九州で起業して成功しても、東京、大阪にすぐ本社が移るわけですから・・・・・。アメリカのストリートオブドリームに似てて、住宅メーカーの売る営業ではなくデザイナーでデザインした個性あるこだわりの街を作っています。そしてその需要があるようです。

そこから少し山に入ると自然あふれる奥池という住宅地があります。別荘地にふさわしい景観です。そこに、私が嫌いな安藤忠雄がデザインしたコシノジュンコの家がありました。敷地に埋まったようなコンクリート打ちっぱなしの異様な住まいです。大先生のすることは我々凡人デザイン屋にはよくわかりません。

家族

東京からM様ご家族が帰省され輸入部材の打ち合わせでした。ご主人を中心に、奥様、息子さん、お嬢さん、お孫さん家造りにおいてもみんなが同じ方向を向けるうらやましいご家族です。「家族」がしっかり見えるのは、ご主人の明るい存在感と奥様の多大な包容力の様な気がします。どこにも誰にも変な、気の使い方や、遠慮がなく、本当に楽しいご家族です。息子さんお嬢さんとも、年代世代のギャップを感じることなく、会話が楽しめます。

よく考えると「家族」って家に集まる人たちと書くわけで、その家を作る我々の仕事はものすごく大事なことなのだと改めて感じます。こんな恐れ多い、尊い仕事で、儲けようとか考えてはいけません。かかるだけの費用と食べれるだけのお金で、楽しく建てさせていただくことが名誉なことです。みんなが集まる器を託されるということは、名誉なことなのですから。

私は暮らすために仕事をしている人は認めません。仕事が暮らしであり、暮らしが仕事である人は魅力的です。

 

楽しいメンテナンス、ありがたいご紹介

3棟の住宅を手がけさせていただいたK様の奥様に立ち会いいただき、湯布院の別荘のメンテにF大工と行きました。・少しのことでもデザインを気にしていただき、我々に声をかけてくださることへの喜びが大きいのです。家を大事にしてくださってると思います。3人で話し合いながら楽しくデザインを決めまして、奥様からおいしいそばをごちそうになりました。F大工の汚い車に同乗いただき福岡まで帰り、那珂川S邸を見ていただきました。お嬢様の家の計画もさせていただくことになり、「湯布院の別荘も使ってくださいね。」とありがたい言葉をいただき楽しい一日でした。

那珂川S様から近くのお知り合いのドクターをご紹介いただき21日、引き渡し前のS邸をご案内になりました。本当にありがたい話ばかりで、ご紹介がいただける会社を目指していましたので、そこに少しづつ近づいていることがうれしくてなりません。

アメリカへの準備

9月、熊本のM奥様と、平田がアメリカに行き、家具、小物、キッチン用品、リネン等視察、購入する予定です。久々のアメリカです。平田は以前はよくお客様をお連れしていたのですが7,8年ご無沙汰です。ポートランドは平田の庭みたいなもので、在住のM女史に協力を仰ぎ、お客様に大変喜んでいただいてました。久しぶりに音信不通だったM女史とも連絡が取れ、協力をお願してます。設立約5年、アメリカにお客様と行ける日が来たことを特別な思いで喜び合っています。たくさんの人に助けられ、奇跡みたいな出会いや、休みなく真摯に働き続けて本当によかったと思います。

アメリカでいいものを見て触り、楽しんでいただく前準備に入りました。協力業者の方も、今月盆明け、福岡に打ち合わせに来てくれるそうで、恐縮です。オンリーワンの家造りの究極が、お客様と行く着工前のアメリカ視察だと思います。アメリカに行くことで、必ずまた、平田の感性は確実にアップするはずです。自分のやりたいこと、目標・・・・・・少しずつですが前に進んでます。

シアトル

我々の家造りには下請けはない。

私の目指す家造りは、デザインを担当する我々とお客様と部材を供給してくれる人と専門の職人と、家づくりに携わる全員が図面に頼らず、できるだけ現場で、ディティールや仕上げを決めるやり方です。デザインの指針や、路線を最小限、図面化して、みんなが空間に身を置いて物事を決めたいと思います。小さいチームだからこそできることです。大きな会社では本物のオンリーワンの家づくりはできないとも言えます。家は建てるものではなく、家を売ることの仕組みを考えビジネスにするのが大企業や、力のない集団の住宅ビジネスです。建売とか、マンション販売とか・・・・・。「できるだけ着工前に物を決めて施工中は変更できないようにして、一気に部材発注しよう。それが工期短縮につながり、利益も増える。」金もうけ第一の経営者の言いそうな言葉です。お客様がどうしたら満足されるかという言葉がどこにも見当たりません。力のない知識のない建築屋は自分たちの都合をお客様に押し付けます。具体的にいうと下請けに、図面を渡し、丸投げしやすいシステムです。

出来上がっていく空間を検証しながら、仕上げ、色、家具、カーテン、照明、鏡、小物・・・・・・・・・決めていく作業は納得度とデザイン性が高くなります。職人もみんながお客様を向いて家を作るのであって、元請けを見て仕事をしてたらろくな家はできません。家づくりが下手な人や会社ほど、手抜きのルールを決めることにたけてます。我々の家づくりに下請けはいませんし必要もありません。謙虚に精進しながら、我々流の家づくりを確立していきたいものです。

健康でいることが責任を果たすこと。

故障が多いスポーツ選手は、力があろうがなかろうが三流です。今ヤンキースの黒田がメジャーで一流と呼ばれるわけは、ここ数年、一年間ローテーションをきっちり守り、4年連続して二桁の勝ち星を挙げてるからです。球の勢い、威力はダルビッシュのほうがはるかにあるのですが、故障やスランプがなく、計算ができる投手です。故障が多い人や、身体のケアを責任もってやらない人、頑張ったから体がおかしくなるのは当然と思っている人は、戦力としての計算が立たず、周りの仲間から信用が得られません。故障したり、病気した理由を多く述べるより周りや自分と真剣に向き合い、如何したら健康でい続けられるか、周りに迷惑をかけず本当の信頼を勝ち得るかを考えるべきです。相談すべきです。イチローのすごさは故障しない自己管理です。黒田がインタビューで、「ヤンキースというチームは、大人としての責任を果たさない人は必要ないという雰囲気がある。いつもそのことにプレッシャーを感じており、自分が勝った負けたはたいした問題じゃないんです。」同じ故障を繰り返す、3割バッターより、毎日しっかり試合に出てチームの勝利に貢献してくれる2割8分の選手が1流です。プロ野球を支えたO、Nは故障がなくすごい数字の成績も上げたからスーパースターなのです。