主役は夜

例外を除いて住まいは殆ど夜が主役のような気がします。「夜が素敵な家をつくろう」とイメージすると、いろんな概念が変わります。太陽を追いかけることでむやみに大きな窓をつけられたり、あちこちに窓をつけて建物の表情を崩したりしなくなります。窓は入ってくる光も大切ですが出す灯りのバランスを考える方がもっと大切です。室内の灯りは暗めで良いと思います。天井からの灯りを最小限にしてブラケット照明やスタンドを主照明にすることをお勧めします。手塗りの壁のコテ跡に灯りがあたり優しい濃淡が浮き出てきます。木々は窓の近くに植えてライトアップすることで夜の庭が出来上がります。インテリアデザイナーの平田は「照明は素敵な影を作るためにつけるものだ」と言っています。

H邸 (北九州市)2000年

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たたずまい

住宅において最大級のほめことばは「いいたたずまいですね」という言葉だと思います。堂々としたたたずまい。おしゃれなたたずまい。かわいいたたずまい等、たくさんのたたずまいがありますがどれも造形が美しいことと、家と住み手が長年いい関係であること、そして、植物が不可欠です。具体的にいうと、「木漏れ日」「光と影」「窓からの黄色い光」「良質の経年変化」が必要です。良いたたずまいであり続けることは建築家とオーナーの目標であり、その責任はフィフティ・フィフティだと思います。

W邸 2000年

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暖炉のすすめ

2006年 M邸

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雪の降る夜、久しぶりに早く帰宅したので暖炉に火を入れました。

マキが燃える炎の灯りや匂い、パチパチという音全てが何にも代えがたい最高の「いやし」です。

世界の巨匠、フランク・ロイド・ライトや私が尊敬する吉村順三先生も暖炉をつけることを勧めています。

ライトは知性や「感性を向上させるものが暖炉だ」と言い、吉村先生は暖炉に「火を入れると空間をドラマチックに変える力がある」と言っています。

私にとっての暖炉は「心身ともに暖かくなるもの」・・・だと思います。

自然体で暮らす北向きの我が家

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会社のホームページを立ち上げてから私もブログを書くことになりました。

まずは築13年の自宅を紹介します。いまだにイノシシが頻繁に出没する山の中ですが、北側に博多湾や能古の島(のこのしま)が望めるところが気に入りシンプルな総2階建ての家を建てました。1階に主寝室と子供部屋2つ。洗面、トイレ、バスルーム。2階に40帖のリビング・ダイニング・キッチン・とバルコニーという構成です。2階の勾配天井にレッドウッドを貼ったことで訪れる人が「船の中みたい!」とおっしゃいます。父が船乗りで、子供の頃その船が遊び場だったことが潜在的にあるのかもしれません。 暖炉に火をいれて、パチパチというマキの燃える音を聞きながら博多湾に浮かぶヨットの白い帆を眺めて過ごす時間が一番くつろぎます。 「自然体で暮らす北向きの家」もなかなか快適ですがリクライニングソファは二匹のビーグル犬と娘に占領されています。

                                                     KOZAWA