恒例の佐世保護摩行

今年もL &S にご案内いただき佐世保黒髪山の護摩行に参加させていただきました。わたしは十数年つづく正月恒例の行事です。L&Sの関連業者が一堂にそろい、挨拶をかわします。社長も奥様も含めスタッフみんなで細かくお世話してくださることに感謝しかありません。いつも思うことですが見習うことばかりです。少しでも役に立ちたいと思います。立派な護摩行と、いいお話も聞かせてもらいました。いまでは自分にはなくてはならない行事の一つです。顔を合わせ、話ができることはとても大事だとつくづく思います。年齢を重ねればなおさら、みんなと会う時間と「親分」の顔を見る時間と、話が欲しくなります。本当にありがたい仕事に対する信念(新年)行事です。いただいたお弁当で事務所で夕食です。

 

 

一つ年を取る

素晴らしい天気の正月です。珍しく3が日どこへも出かけず、家と事務所を行き来して、本を読んだり、年賀状を見たり、テレビを見たりで、のんびりできました。今年は体のチェックをしながら、仕事に励みます。どうして仕事を取ろうかとか、何を仕掛けようかとかと考えることはありません。今まで通りお客様に喜び、楽しんでいただける美しい家づくりを続けます。年を重ねることも進歩の一つです。老いも楽しむ価値があることです。自分にどんなひらめきや、アイディアがうかぶのか実はひそかに期待しています。そのためには日々、遊んで、感性を磨き、喜怒哀楽をまじめに受け入れます。

 

大人

物心ついてみてた親父やおふくろはとにかく働いてました。船乗りの親父は朝3時ころ起きて8時間かけて博多に向かい、汗まみれで荷役です。朝5時から夜9時まで食料品店 をやってたおふくろはばたばた働いてました。両親だけでなく、叔父、叔母、知り合いの漁師・・・・・皆必死で働く時代でした。暦で働くわけではありません、はたらけるだけはたらくのです。大人はすごいなーと思ってみてました。私の授業参観や、運動会や卒業式すら両親は出席せず、働くばかりです。小さい村では休むと困る人がいるからです。働くという行為は人のために行われるのです。今考えると、すごいのは両親とも笑って働いていたことです。今の大人はだらしない。週休2日に、多い祝祭日、働く時間まで甘く決められ、時給は高くしろという始末、恥ずかしくないのでしょうか。自分の意志で働くことができないのですから、おこちゃまです。金にばかり目が向くからで、自分のやるべき仕事すら見つけられず、アルバイトやパートで食うためにしか働かないようです。情けない魅力のない大人が出来上がり、情けない国になるのです。子供からも尊敬されるわけがありません。「小澤さんところはいつが休みですか。」とよく聞かれます。「休みは決まってません。ほとんど休みません。」と答えます。休む必要性がよくわかりません。娘は正月も仕事のようです。家に帰れないのか帰らないのか、そんな入院患者が多いそうです。初詣というレジャーはそこそこに、毎日仏壇に手を合わせて先祖と話すことでいろんなことが思い出され、力をもらえます。先祖に自慢できる生き方をします。

 

サバのさしつけ

私の親父は、対馬と、博多の間の貨物船をやってました。名前は第6平和丸です。 時々、荷によっては唐津や下関にも行ってました。行く先々で夕食は船で作り船で食べます。小さいころから一緒に連れて行ってもらってました。爺さんの弟の機関長が飯を作ります。そこで、サバのさしつけという料理にはまり、大好きになりました。新鮮なサバを刺身よりやや大きく切り、すき焼きのたれのようなものにくぐらせ食べます。しゃぶしゃぶのようでもあり、サバの煮つけのようでもあるのですが、甘辛いタレがご飯とよく合い何杯もお替りしたことを覚えてます。漁師料理らしいのですが、ねだって家でも時々作ってもらいました。各家で作る塩辛はかなり辛く酒の肴として食べる時はいいのでしょうが、飯を食べる時、まして子供では喰えません。だから酢をたらしてたべます。刺身風や、ワタ入りや何種類か常にありました。おふくろが作るものはすべておいしかったと皆が言います。娘は今もばあちゃんにもっと料理教えてもらっとけばよかったといいます。

かじめ、

私が一番好きな食べ物です。対馬では朝飯は朝早く浜でもらういかの刺身、家で作った塩辛、かじめの味噌汁、漬物が一般的で、季節により、みそ汁の中身があらかぶになったりします。冬の寒い早朝、港で突いた、「ばとう」という魚もみそ汁にするとうまかった記憶があります。かじめというのは海藻です。熱いみそ汁に入れると粘り緑色に変色します。とてもうまいものです。私は熱湯をそそぎ醤油をかけごはんに混ぜて食べるのも好きでした。毎日朝と夜飽きずに食べてました。生わかめにウニを混ぜて今思うとぜいたくな食べ物も食卓にありましたが、かじめが大好きでした。 大根の薄切り、と豆腐の味噌汁に入れると一番うまかった。生のかじめはこちらではなかなかお目にかかりません。たべたいですねー。もう一つサバのさしつけという大好きな漁師おかずがあります。また今度ご紹介します。

この時期不義理が気になります

 今年も予定していた墓参りに行けませんでした。歌の文句じゃないけれど「仕事に名を借りたご無沙汰です。」高齢のおばへのあいさつもできてません。大変お世話になり、かわいがっていただいたご入居者が突然亡くなり、不義理ばかりを悔やみます。病気で入院してる人の見舞いも行けていません。毎朝仏壇に手を合わせて詫びてます。この年になると、見送る人が多くなり、不義理してる場合じゃないのですが、来年こそはと思うばかりです。昨日夜遅く、暖炉に火を入れました。心地いい時間が流れます。いろんなことが思い出されます。炎は飽きません。そろそろ我が家も30年になります。先日不動産の人が来て、ずいぶんほめて帰りました。彼の感想は、「もうこんな家に出会うことがなくなりました。絶対大事にしてください。そしてできるだけ多くの人に見せてやってください。驚きますよ。」うれしい言葉でした。私は時を重ねるほどオイルステインの空間が好きになります。犬にかじられても、モノがあふれても渋く重厚なテクスチャーと色におちつきます。この家に対馬から両親を呼び8年ほど過ごせたことはよかったのか悪かったのかわかりませんが、私にとってはいい時間でした。

 

 来年の準備

 横浜と東京のリニューアルの打ち合わせが何度も続いているようです。コーディネーターが根気強く頑張ってます。水巻の倉庫や クリニックの改装は私が担当です。先日お邪魔した文京区の弱小敷地の提案をオーナーが気に入っていただき、変更も含めて話し合いの予定です。すべて1月着工です。目の前が海の家は来年からエクステリアの工事です。すべての仕事は準備、段取りが大事です。仕事の面白さや、やりがいや、人との出会いとか何より大事なことを語るわけでなく、103万の壁だの、裏金だの、手取りを増やせだの、馬鹿みたいなことばかり声高々に言ってます。単純です。一生懸命働いて、仲間と成果を上げ、稼ぐことが何よりです。働く喜びを教えなくてテクニックばかり語っては衰退するのはわかりきったことです。こんな爺さんばあさんの会社でも必死で働いて楽しさや面白さに出会えています。ハローワークに募集をしても、楽で時給が良くて、自分の労働条件ばかりきにしてる連中が子育てすれば、ろくなしつけは期待できません。どんどん大事なことが忘れ去られる世の中です。

 

面白くない男

私のことです。酒はほとんど飲まず、麻雀も分からない。競馬、ボート、競輪、パチンコ・・・ギャンブルも全く興味なし。ましてや、子供のころ離島で育ち、素潜りで、さざえやアワビをとっていましたから夏のマリンスポーツもせず、冬のスキー、スケートも致しません。登山やマラソンなどなにが楽しいのかも理解できません。ペットも苦手です。ある人から「ゆっくり散策しながら山に登ると、きついけど草花や鳥に出会い、頂上に着くとうれしさと、いい景色が見えるよ。」と言われ「俺、できればヘリコプターで頂上に行くタイプやから。」と答えると、「花鳥風月がわからん男やね。」といわれました。自分が面白いと思わないことは苦痛でしかありません。むつかしい依頼でも住まいのデザイン設計をやるときは、まったく苦痛ではなく、集中できて、すべてのことを忘れてしまう時間です。好きなことが仕事にできてよかったと思います。だから趣味がいらないのかもしれません。よく考えると、同級生以外、家づくりで知り合った人ばかりが友人であり、仲間であり、大事な人です。最近孫までが私に電話やメールで家の話ばかりしてきます。今日、コーディネーターは目の前が海の家のオーナーご夫婦と神戸に家具を見に行ってます。仕事というものが大事な人や旅行や海外や出会いやいろんなことを運んできます。まだまだやり続けて思いがけない何かに出会いたいものです。

 

お歳暮の時期です。

 毎年のことですが、多くのお歳暮が送られてきます。私どものような会社は我々が感謝を込めてお送りするものなのに仲間や、業者さんはもとよりご入居者からいただくことに恐縮します。 大手住宅メーカーや、設計事務所などで働いたこともありますが、多くのご入居者からお歳暮などそんな経験はありませんでした。10年、20年とお付き合いが長くなると、大事な友人のような関係になります。家以外のお話や相談やときには悩みや、食事や、旅行や・・・。本来お付き合いできないような人たちと家を通して知り合えることは、人生の財産です。東京からのお問い合わせのお客様と明日お会いします。我々の家のファンでいてくださる人からの依頼は、遠くても駆けつけようと考えてます。経費が掛かるだの、工務店どうするだの、どうしてやるかを考えればいことで、できない理由をうじうじ言うやつは嫌いです。よく考えると苦しい時期、会いに行くお金もなかったのに、今はいけるのですから幸せです。格安の飛行機で、日帰りで、行くことがほとんどです。我々らしくて、それが落ち着きます。毎週日曜日の現場打合せはコーディネーターが一人でやってくれます。いまだに年々仕事が楽しくなります。まだまだ頑張ります。

 

改めて感じたこと

横浜のお客様が事務所に来ていただき、2日間じっくりコーディネーターといろんなことを打ち合わせされました。前回もそうですがご入居者案内の家は25年、20年、15年経過しています。どのうちもびっくりするほど素敵に暮らしてあります。案内したお客様も驚かれます。我々に創らせていただいた家は時の流れがプラスに 働き、年々素敵になっていくことを実感させられます。それとご入居者のお人柄に感銘されます。「ステキなお客様をたくさんお持ちですね。」うれしい言葉です。そして家をご縁に25年30年とお付き合いが続きます。最高です。打ち合わせでは多くの選択肢がある中で一つ一つ丁寧にご説明しながら、一緒に家づくりをしてことが大事です。効率を考える会社、家を売る会社にはできないことです。83歳の奥様がストーブに薪をくべている姿も絵になりますし、マテリアルや輸入クロスなどどうやって決まっていったかなど、自分の家づくりの思い出を楽しそうに話していただけることもうれしい限りです。デジタルで作る家とは比較にならない ほど素敵なアナログの家。改めてアナログ人間の力を再確認してます。無機質に進む世の中が嫌でなりません。