働くことが人生

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先日おふくろに会いに行きました。もう何もわからないのですが、耳元で声を出すと、どんな言葉でも「はい」と返事をしてくれます。言葉はそれだけです。二人の孫の名前を言ってあげるとかすかに、笑います。目はほとんど見えないようです。手を握ると、少し握り返します。わたしがすぐ横にいても遠くを見ているような表情です。働いて働いて、店をきりもりし、祖父母の介護を10年もして、苦労の絶えない人生を歩んでいます。いい息子ではなかったのかもしれません。今も何かしてやれるわけでもなく、自分がいまだに、母の顔を見て気合を入れなおす始末です。親を超えられることはないようです。生きてる間ずっと、甘え続けそうです。

働くことにかけては両親の背中で学びました。休みという言葉も概念もない人たちでしたから、病気やけが以外働くことが当たり前でした。働けることが幸せという考えは確実に私に注入されてます。正月だけは必ず、両親と過ごしました。それが私流の感謝であり親子の証です。なぜか少し涙を流しながら施設を後にします。なぜか「ごめんな、」と小さく声に出してしまいます。親としてこんなに私を思いやってくれたのに、子として十分な孝行できてないからだと思います。わたしも今、働き続けることしか親孝行のすべはないようです。

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