床屋

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いつもの床屋が予約でいっぱいで、初めてのところに行きました。私は昔ながらの床屋が好きなんですが、昔過ぎて、驚きました。77歳のご主人は一人で切り盛りされてるようで、戦後すぐと思われる古い古いお店です。掃除が行き届かず、多くの機材は使えなくなっていて、店のあらゆるところにハサミ、整髪料、ドライヤー、タオルなど散乱してます。その整髪料は私が坊主頭の高校時代一世を風靡した、エロイカや、ブラバスです。懐かしくうれしくなりました。私の髪染めの待ち時間、ご主人は使い古した自分の汚いいす『失礼」に座り軽くいびきです。染め時間が来ると、いすの前の洗髪器が壊れているようで、食堂や刑務所にあるような壁付小型手洗い機まで歩いて行かされ洗髪です。もちろんシャワーなどなく洗面器で洗ってくれます。引き出しなども動かないようで櫛、ブラシなども、そのあたりに置かれています。体がやや不自由なのか、いろんなものをとりにいくのに時間がかかり、いつも1時間弱で終わるのに、2時間かかりました。その間しゃべりっぱなしです。美容室に行く男はつまらんという話です。そんな男はホモの素質があるという乱暴な話をしてました。化粧やイヤリングもしよる若い兄ちゃんが多いでしょうが。「イヤリング」にも笑いました。でも同じことを何度も話され聞かれるので話題は4つ5つくらいです。うなぎよりアナゴがうまいを何度も強調してました。志村のコントか、よしもと新喜劇か東南アジアの露天商の床屋のようで、怒る気にはならず、笑いがたくさんの2時間劇場でした。お年を召した方のあるあるがたっぷりで、武勇伝と、もてた話と、知り合いにすごい人がいる話はかなりおおく、間違った情報も数多く自慢げに話されました。「熱海の旅館は高くて1,2万はするでしょう。」『今ダイエーの選手はかねもらいよるけん、建て売り住宅でも4,5千万のやつを買うでしょう。・・・お代を払い暗くてよくわからなかった仕上がりを車のルームライトで見ると、えーーー染まってない。ひげ結構そり残し。店は薄暗かったし、まあ、面白かったからいいかと言い聞かせて帰りました。タイムスリップした不思議な感覚が残ってます。