2014年7月27日の記事

建築に甘えすぎ

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素敵な家、素敵なたたずまいを自己責任ではなく建築に甘えすぎて勘違いしてる人に出会うことがあります。汚れにくい家、掃除が簡単な家、メンテが少なくていい家、子供が危なくない家、家事がやりやすい家、片ずく家、光熱費がかからない家、カビが来ない家、明るい家・・・・・・・・「障子は素敵だけど、破れるからねー。」「ユニットバスは掃除しやすいし、カビは来ないけど味気ないしねー。」「タイルは素敵だけど、目地が汚れるし、キッチンパネルは味気ないし。」「床タイルは素敵だけど、つめたそうだし、シートは安っぽいし。」「もう少し広くしたいけど、予算は上がると困るし。」「キッチンは広々素敵ににしたいけど、洗物は見えたくないし。」「吹き抜けは気持ちいいけど、エアコンが効きそうにないし。」このように全てマイナス思考は決していい家になりませんし、どうにかしろという目で見られてもどうにもなりません。楽しい暮らしにもなりません。自分がちょっと気を付けたり、手を加えたりするとすべて解決することばかりです。細かい寸法を2センチ3センチ悩んだり、スイッチやコンセントの位置を10センチ、20センチ動かすかを悩んだり、そんなことを考え悩むことが建築でもなければいい家になることでもありません。しっかりした素敵な空間をデザインすることが優先します。「美しい家、美しい空間を作ろう。」そうすると長い間人に愛され大事にしてもらえます。手をかけることが楽しくなります。飛行機や、新幹線の空間はメンテナンスフリーで困ることはありませんが、味も素っ気もありません。住宅とはわれわれがやれることは半分、あとの半分はオーナーが育むものです。全てを建築に甘えるとえらいことになります。

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