思い出の現場

category: 未分類

 思い出深い現場も多々あります。熊本のプールがある家は私を変えてくれた代表作でもありますが、施工中いろんなことがありました。とても医者とは思えないハチャメチャな開業医の先生がオーナーです。棟上げ前後に大きな台風が続けざまに2個直撃して、心配で夜中に現場に行きました。夏とはいえ、そこには寝袋に我々の現場担当者と先生が寝てました。びっくりです。私が現場に行くたびに熊本のうまい店に連れて行っていただき、バンドをされてる先生のギターで歌を歌ったり、毎日が楽しい現場でした。プールができるきっかけは施工途中、庭の打ち合わせの時、「プールがあるとどんな庭よりかっこいいですよね。」の一言で「じゃつくろう。」と決まってしまい、毎日プールの設計をしました。先生は仕上げが近くなると作業服にタオルを巻いて病院終わりや休みの日は現場に職人のようないでたちで現れます。私の会社の若いやつが初めて現場に届け物に来て、座ってる先生に「なにさぼってるんですか邪魔ですよ。」という冷や汗ものの暴言を吐きました。完全に職人と間違えた社員は、す、い、ま、せ、ん。」デザインのメインである煙突の石張りに先生と立ち会う約束に遅れ、高速をとんでもないスピードで走り、オービスが光りました。後日「免許取り消し」の通知です。みんなに笑われながら一年後、自動車学校に通い、高齢ということもあり「番長」になりました。我々が作った大きな犬小屋で2匹のドーベルマンが飼われ「ゴンスとゴワス」と命名されました。鹿児島出身の先生がなずけ親です。プールがある大きな家は近所で子供たちの話題になり、「プールいくらではいれるんですか。」と水着の子供が来たそうです。私が感動したのは、熊本地震の際、大きな家と広い庭、井戸があり、発電機も備えてる我が家を解放されたことです。そして阿蘇神社の修復にも尽力され地元を愛されてます。