遠方の現場であるK邸ですが交通費がかかろうと、いかなければ進みません。体もお金もダメージですが、現場についてできばえを確認し、職人と話すと、ダメージも癒されます。工務店の社長や棟梁はもとより、塗装、クロスなどの職人も、「できるとすごくいいですね。」と笑顔です。スタートしたときには、大きさと、難しさで、暗い顔でしたが別人のようです。こんな喜びがものづくりの醍醐味です。1年から2年かけて、デザインし、打ち合わせ、発注し、申請、そして施工、・・・・完成の喜びはものうりのビジネスでは味わえません。またひとつ、いい作品が生まれそうです。
2018年9月の記事
現場は何かしら学べる場所。
今私は、デザイン設計の仕事なのですがどうしても勝手に現場に足が向きます。職人や、材料や、空間や、プロポーションや、色や・・・現場に行くと反省と、自信と、ひらめきと、修正が頭に浮かんできます。昔から言われているように、現場は何かしら学べる場所です。なんだか年々学べるものは増えていくから不思議です。オーナーや職人とものづくりの現場で打ち合わせる時間こそが最高の時間です。竣工間近の建物は小さなことに手を入れて、バランスの微調整をしますし、上棟には建物全体のプロポーションの修正が必要と思うときは工務店やオーナーと話し合いです。みんなの意見を寄せ合う現場はいいものが完成します。現場は役所の検査や、追加原価や、工期や、利益を考えることは当然ですが、それが一番ではありません。特に役所などはしごとの邪魔にこそなれ、仲間にはならないのですから。愚痴ります。「何棟もの家を真剣に作り引き渡してきたわれわれが、ものづくりの経験も力もない役人の審査や検査を受けなければならないのか、役所の働かない時間の設定で、多くの無駄な時間を役所のいいなりでとられるのかわかりません。」
責任回避の仕組みとデザイン重視の仕組み
今コンプライアンスという考えのもと、打ち合わせ事項、決定事項を細かく書いて、オーナーにサインをいただき、おかしくても「あなたたちが了解してのことなのですよ。」という仕組みが家作りの主流のようです。それで発注して、できたものへの文句を言わせず。追加原価を出さず、利益を確保するやり方です。われわれの最終目的は素敵な美しい家をつくことです。そのための打ち合わせ議事録であるべきです。われわれとオーナーが、模型や室内パース、作品集、ご入居者案内、ショールーム案内を繰り返し、物事を決めていく仕組みこそ、デザイン重視の家作りです。それでも納得いかなければやりかえるべきです。美しい家にたどり着く努力をしてると、できた作品が次の受注を生みます。
ご入居者からの連絡
多くのご入居者からご連絡をいただけてます。メンテ、ライフスタイルの変化による家のリニューアル、車庫、外構、家具、照明、・・・。そしてご紹介。自分の仕事を検証する上で、ご入居者からの連絡は自信になります。オーナーと、いい関係が保てるかどうかは私の仕事の価値観で一番大事なことです。ご入居者への自分の責任として体の健康管理とこの家作りを継続することだと思っています。家作りなんかむずかしいものではなくお互いの信頼の元で、楽しく話しあえばいい家はできるのです。建てた後も、特別な関係として、いいお付き合いを続ければ、家は年月とともに、いい味が出ます。家は人が現場で話しあいながら作るものです。工場で作るものではありません。
佐世保、ハウステンボスワッセナー
ハウステンボスワッセナーY邸の現場に行くと、多くのご入居者から声をかけていただき、食事のお誘いやご紹介などもいただきました。ありがたいことです。この町は私にとっていい出会いや、いい作品や、人とのお付き合いとか・・・・・大事なところです。微力ながら守るべき町だと思ってます。Y邸は難しいリニューアルです。みんなで集まって話し合いひとつずつ解決していってます。その後佐世保市内のスペックハウスの現場にいきました。私は基本デザイン提出の仕事ですが。かなり建ち上がり、町ができていってます。佐世保らしい住宅地になると思います。オーナー宅にご挨拶に行き、いつながら明るく、楽しい奥様とお会いして元気をもらい帰路につきました。